内容説明
綺羅星のごとき名作SF映画の数々の中から知られざる原作短編を精選した、日本独自編集によるアンソロジー。有数の名作として愛されている表題映画の原作に加え、本邦初訳となる、ブラッドベリが後年になって公開した短編、スタージョン原作として伝説的に語られてきた中編などを収録。また、やはり初訳のハインラインの中編には著者自身が撮影の舞台裏を明かした顛末記を付した。
著者等紹介
中村融[ナカムラトオル]
1960年愛知県生まれ。中央大学卒。英米のSF・ファンタジイ翻訳家、アンソロジスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いりあ
40
SF映画原作のアンソロジー。ブラッドベリの未発表の短編"趣味の問題"、スタージョンの"殺人ブルドーザー"、ウォルハイムの"擬態"など初訳出作品が収録されているのが大きな魅力。"地球の静止する日"として知られている"主人への告別"も収録されています。個人的に本作で一番面白かったのは"「月世界征服」撮影始末記"です。これは、"月世界征服"の原作者ハイライン自らが映画のメイキングを執筆しているというもの。当時のハリウッドのSF映画に対する姿勢や苦労話などが満載でとても面白かった。もう一度映画を観たくなります。2012/07/17
藤月はな(灯れ松明の火)
31
いや、題名と元題名が違いすぎるし(笑)「地球が静止する日」=「主人との告別」は最後の一文が印象的で怖くも全てを委ねたくなります。「ロト」は核戦争を知り、逃げる家族の話なのですが最初に挿入されているソドムとゴモラへの天罰を見た妻の逸話が何とも言えない余韻を倍増しています。「擬態」の描写も不気味で「殺人ブルトーザー」はファンタジー・ホラーに人間同士の潰しあいは誰が指示しているのかという騙し合い展開が隠されていて驚きました。2013/03/20
まさ☆( ^ω^ )♬
12
名作SF映画の原作短編集。「地球の静止する日」のタイトルに惹かれ読んでみました。映画は観た事がなかったのですが、原作とは全然違うんですって。面白かったので、映画も一度観てみたいですね。あとは「趣味の問題」「主人への告別」が良かったかな。「殺人ブルドーザー」は、重機のイメージが全然分からなくて、ネットで写真を確認しながら読みました。他の作品も面白かった。2023/05/24
SAT(M)
10
ニッチなSF映画の原作作品の短編アンソロジー。表題作の映画を見て原作を探していたら行き当たりました。原作と映画で同じなのはUFOが降り立つ最初のシーンだけで、そこから全く違うストーリーが展開されます。原作の方はラスト一行でタイトル回収をする緻密な作り。映画の方は冷戦時代の危うさへの警告という明確なメッセージのある作品。原作と映画ニコイチで見るとより楽しめます。他の収録作品では、ポーを彷彿とさせる間接的な不気味さのある「擬態」、ルッキズムの前に立たされたときの良心の脆さを描いた「趣味の問題」も良かった。2023/08/31
hit4papa
10
SF映画の原作のアンソロジーです。映画を見たこともなければ、原作を読んだことがない作品ばかりでした。有名どころを掲載していない点で新鮮ですし、作品そのものも楽しむことができました。