内容説明
1946年、異星人がもたらしたウイルス爆弾がマンハッタン上空で炸裂。この日、世界の歴史は変わった。これに感染した人間は90%が絶命し、生き延びた者たちは特異なミューテーションを遂げたのだ。肉体的変容を遂げた者はジョーカーと、そして特殊な超能力を発現させた一握りの者はエースと呼ばれ、ここに史上かつてない闘いの物語が始まる。SFならではのアダルト・アクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
34
再読、マーベル風だがテイストはDC。つまりややダーク。第二次世界大戦で活躍した青年ジェットボーイの悲劇。世界平和に全てを捧げた男が時代に取り残され、自殺にも似た戦闘で守り抜いた世界は、だがしかし、異星人のウイルスによって改変された・・・。様々な作家による様々なヒーロー。ワクワクしないはずがない。あり得ないくらい豪華な作家陣による持ち寄りヒーローの活劇(遣い回しあり)の始まり。2018/09/18
ニミッツクラス
25
92年(平成4年)の税抜660円の創元藤背初版。編者GRRマーティンが構築したシェアードワールドの連作短編集。本書はその序章を2分冊した上巻。ゼラズニイ、シャイナー、ウォルドロップなど本件に参じた作家連のヤル気を感じる。大戦直後の1946年、地球は宇宙人の開発した変態ウイルス“ワイルド・カード”の実験台にされる。米NYでの感染者の90%が死亡、10%は異形の“ジョーカー”または超能力者“エース”に変容。アメコミ調ながら登場人物の多い群像劇で、構成も入れ子で玄人受けする…まだ序章なんだけどね。★★★★☆☆2023/10/26
トラシショウ。
21
再読。1946年9月15日、午後2時24分。アメリカ、ニューヨーク上空6万メートル。異星人のもたらした一発のウイルス爆弾が全てを変えてしまった。「ワイルドカード・ウイルス」と名付けられた細菌に感染した九割が死亡、生き残ったうちの大半は突然変異による肉体的変容を遂げた「ジョーカー」、残りの一割は超人的な能力を開花させた「エース」となった。かくして、彼ら超人達が関わっていく「我々の知るものとは少しずつ異なる歴史」が語られ始めた。錚々たる作家達が真剣に遊んだ、アンソロジーではなく連作長編(以下コメ欄に余談)。2017/08/21
SINKEN
8
【総評】★★☆☆☆【感想】期待したほどではなかった。文体もさることながら、特に説明もなく淡々と現れては去っていく登場人物や転々と変化する年代、地域など、読み辛さが上回って、時間がかかると共に読み進めるのが苦痛になってしまった。複数の作家と複数の訳者が併存して、全体的な統一感が薄いのも要因かな。あと、時代背景などにも精通していないとちゃんと楽しめない作品に感じた。下巻でいいように変化してくれるのを期待。2019/12/11
陽介@中四国読メの会参加中
4
再読。異星人の持ち込んだウイルス。感染者はほとんどが死亡、肉体的な変容を遂げたものはジョーカー、超能力を身に付けたものはエースと呼ばれるよう存在になったアメリカを舞台とした、連作長編。所謂シェアードワールドものです。複数の作家が競作してるのでテイストが色々でお得。シリーズの翻訳止まってるみたいなのが残念です。2012/03/27