内容説明
マニーは外宇宙で処女受胎によって生をうけた。母とその夫は、邪悪なゾーンに覆われた地球に彼を送り込むべく外宇宙から帰還する。だがその時事故が起こった。母は死亡、夫は長い冷凍睡眠につき、ただ一人マニーだけが仲間の手で救出された。そして6年が過ぎ、彼は一人の少女に出会う。彼女に導かれ、自分の正体を知ってゆくマニー。前作『ヴァリス』を展開させた、新たな物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Vakira
49
死が存在しなければ愛は存在しない。死から生命を繋げるシステムが愛だと個人的に思っている。ディックさん、「ヴァリス」の次に執筆したのがこの作品。「ヴァリス」はSFの形態を使った純文学発問小説でかなり興奮して読みました。ならば、次回作のこれは、ヴァリスの一つの答えに出会えるか。そんな期待をしてしまう。しかし、今回はガラッと作風変更。ちゃんとSF。そして、ヴァリスみたいにぶっ飛んではいません。でも、あまり科学的ではない。なんたってリアルに「神」が登場。この神が地球外宇宙から地球へ。よって聖なる侵入となる。2023/12/06
hikarunoir
7
ダンテには古代ギリシア的文化とキリスト教文化を様々な接着剤で齟齬なく繋ぐ企みを感じるが、本作には逆の企みの痕跡を感じる。だからドラマは極薄。2022/03/11
ndj.
7
壁に埋まってる女型の巨人と壁に押し寄せる3~4M級にしかみえない藤野一友氏のカバー絵に一瞬借り出すのを躊躇してしまったがともあれ『ヴァリス』の続編である。三人称の視点で書かれているせいか『ヴァリス』のようなアイデンティティが崩壊しそうな危うさはない。神的概念と悪魔的概念の相克が人の形をとって展開されていく。非常にわかりやすい。が、肝心の戦いに配される小道具がどうにも陳腐である。小説という形態ではヴァレンティノス派の創世神話の壮大さにはやはりかなわないのか。2016/03/01
カン
2
ヴァリスもなかなかですが、こっちも相当です。ディック神学じゃなくて、小説として読むと雑。電気羊以上に雑。重要っぽく結構なページ割いて出てくる人物たちが忘れられたように途中退場しすぎ。違うこと書きたくなっちゃたんだな。2019/04/13
Tsuki-Natsu
1
面白い2021/04/13
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