内容説明
優秀な成績で学業を終え、いよいよ今が初飛行の船、ナンシア。なのに見送りもなければ、一緒に飛び立つ相棒さえも決まらない。不安で一杯の彼女に5人の若者が乗り込んできた。みなそろって新卒で、華族と呼ばれる良い家柄の出。これから新しい赴任先へと向かうのだという。ナンシアがほっとするのも束の間、5人の会話がどうも尋常ではない。それもそのはず、私利私欲に目がくらみ何やら悪だくみをしているやくざや連中だったのだから。聞き捨てならないことを耳にしたものの、頭脳船(ブレインシップ)に盗み聞きはご法度。なんとかやつらの計画を阻止したいのだけれど…。シリーズ第4弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Masa
11
読了。おぉ、うぅん、という感じでした。例によって面白かったことに違いはないのですが、とにかく1作目と2作目が良すぎたのかなぁ、と。ぐいぐい惹き込まれる感じをイマイチ受けなかった1冊でした。やはりブレインとブローンの関係性がどこまで好みかでこのシリーズの楽しみ方が変わってきそう。結末はこうきたかーという感じでいままではちょっと違いました。面白かっただけにちょっと物足りない。もっと濃密なブレインとブローンのやり取りをみたいのです。2019/11/11
仮面堂
4
頭脳船XN-935ナンシアの初飛行は〈華族ハイファミリー〉の坊っちゃん嬢ちゃんらの輸送。彼女を頭脳船と知らぬ彼等は辺境へ追いやられる腹いせか元より良心や倫理なんてものを持ち合わせていないのか滔々と各々の犯罪計画を語り始める…SFではあるけれどヒロインの成長物語でもありサスペンスでもあります。シリーズ内の設定を理解する上でも読んでよかった一冊。2016/11/27
まも
3
歌う船シリーズ四つ目。今回はハイファミリーに焦点を当てて、ブレイン自身もハイファミリー。だけど、お高くとまっているわけでもなく普通の女の子。残念ながら今作は魅力のあるキャラクターがいないかな・・・。台詞では愛称やファーストネームなのが、文中ではミドルネームだったりしていて、名前が長いのも相まって誰が誰に言ってるのかすぐ理解できない箇所が多々あり。時系列的にはこのあとみたいだけど、前作のシメオンが顔を出していて、ファンならニヤリか。でも、ほんとに出ているだけだけど。正直いまいちだった。2011/08/31
カン
2
これまでの歌う船シリーズと比べて、登場人物に魅力不足。マキャフリー一人に書いて欲しかった。2016/01/27
Take
2
常に主人公の視点から語られてきた今までのシリーズとはかなり趣が異なります。それぞれのキャラクタでの視点、取り巻く環境、彼らの感情にも重きが置かれ、時間の流れもがしっかり盛り込まれており、ついつい読む者をひっぱるドラマ性を感じさせます。マキャフリィにしちゃ変わった書き方だな~とあとがきをみると、プロットはマキャフリィが書き、ボールが書いたという事で、納得。共作という形で、常に目新しい点を盛り込んでいくあたりがこのシリーズの魅力といった所でしょうか。2013/05/21