内容説明
死亡率15パーセントの危険な旅行法で惑星を巡り、故郷「地球」への道を求めるデュマレスト。未来を予測する機械「ライブラリー」を誇る惑星トイを訪れたが、着いたとたん拘束され、独裁者が開催する戦争遊戯への参加を強制される。敗軍の将兵は、勝者たちの狩りの獲物として死ぬまで追われるという過酷なゲームに敗れたデュマレストは、四次元迷宮での決闘にすべてを賭ける。
著者等紹介
酒井昭伸[サカイアキノブ]
1956年生まれ。早稲田大学政経学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鐵太郎
13
アール・デュマレストの地球さがし冒険その3。今回の舞台は、一日が50時間になる惑星トイ。かつてすべての住民が幸福に暮らせるように考えられた「株主制度」がいつの間にか貴族と奴隷の世界となり、運悪くデュマレストは奴隷として辛酸を舐めることに。しかしそのままですまないのがデュマレスト、むろん。 ──今回も、彼に命を託す友らしきものが現れるのですが、徹底的に人間不信のデュマレストという一面が見られます。そういうこともあるさ。(あはは)2022/02/28
kagetrasama-aoi(葵・橘)
3
デュマレスト・サーガの第3巻。1、2巻とは翻訳者が異なるので、アールの会話文に少しだけ違和感が……。私、そういうの凄く気になる読者なので、シリーズ物は翻訳者を統一して欲しいなぁ。今回の舞台は”トイ”、独裁者が統治する民主的ではない世界。でも、このサーガでは民主主義の惑星は登場しないですよね、確か。サイクランの目的がハッキリと示されました、1巻でも触れてましたけど。地球探しの件は別名が”テラ”ということがわかりました。アールの故郷探しがどうサイクランと関わってくるのか?まだまだ先が長いお話、楽しみです。2016/09/28
ニミッツクラス
2
デュマレストの3作目で、82年の創元推理文庫の方(674-3)の初版を読んだ。カバーの赤いローブ姿はサイバー・クリールで左手首の腕輪型防諜装置を操作している。惑星の諸元は相変わらずスルーで、トイは“退廃した社会と言うより、より成熟した世界の影響を受けることなく独自の道を歩んだ”結果、関係性認識エネルギーの低い、つまり精神的に未成熟な独裁者の統治世界・・迷宮だか迷惑だか。アールの起死回生のネタの仕込みが単純で、それをいつ使うのかと読み進めたに尽きる一冊。こうしてみると、スタトレはすごいなと思う。★★★☆☆☆2013/07/05
冬至楼均
1
サイクランの攻撃がいよいよ本格化。2010/05/29
yos
1
トイはおもちゃ。おもちゃは子どもの遊び物。そして子どもは残酷と相場が決まっている。トイは残酷な惑星である。支配者階級の単なる娯楽として、命を賭けて戦わされる。支配階級のペットとして、遺伝子を操作された半人間が製造される。そうした惑星で生き残り、次の惑星への切符を手にするためには、自分の力で闘い、勝ち残るしか方法はない。アール・デュマレストは誇り高き男だ。奴隷の首輪を着けられても、精神は屈することを許さず、冷静に判断し、可能性を見極め、生きながらえる。不屈の闘志を静かに燃やす、ハードボイルドな男なのである。2006/03/23
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