内容説明
気がついた時、ジャロウは七カ月間の記憶を失っていた。知人たちのもとを訪ねるが、誰ひとり彼のことを知らない。それどころか、彼は五カ月前に死亡したのだという。では一体この自分は誰なのか。身辺に残された手がかりをたぐるうちに浮かび上がった、彼自身がキイとなる恐るべき計画とは。宇宙に人類が進出し、世界構造も再編された近未来社会に展開するハードＳＦサスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
25
95年（平成7年）の税抜534円の文庫初版。下巻より少し頁数が多いので20円ほど高い。ブコフ100円をさらに数年醸してあった。ベアやゼラズニイが“マルチなんちゃら”なんて書いたらフンドシ締め直す必要があるが、ホーガンやソウヤーならエンタメ寄りだから幾分気楽だ。それでも本書の登場人物一覧の複数人は同一人物（他人への知識やスキル転写の結果）となるからややこしい。本来資質や職能向上目的の転写の裏に人格改造があるのは軍部のお約束だ。不死の実現すら可能だが本書の舞台世界ではその余裕が無い。下巻へ続く。★★★★☆☆2025/01/17
SINKEN
6
【総評】★★★★☆ 【感想】今のところ、SFよりもサスペンス色の方が強い感じ。ある科学実験の被験者となった主人公が、自分の身に起きた出来事を明らかにする為に右往左往するといった、わりとお馴染み？なあらすじなんですが、テンポもよく、仕掛けも巧みで、読み進めるのが楽しい作品でした。今まで読んだ他の作品と違うと感じたのは、政治や社会情勢などの体制的な背景が深く関わってきてる点。後半の謎解きにも期待大です。2017/03/13
Stevie G
3
ジャロウが主役だろうと思って読み始めたものの、どうも偏狭なただの中学校教師に過ぎずつまらない人物というのもわかってきました。それより、2日間の休暇で、シャワーにも入らず、チョコレートアイスを冷蔵庫にも入れずにナニを始めてしまうデミーロとリタは良いですね。リタからすれば、デミーロが目の前にいるのだから、元に戻ってほしいでしょう。デミーロのジャロウも、遠慮しないでヴェラに徹底的にサービスしてもらえば良いんじゃないかと。2024/08/02
叡福寺清子
1
ホーガンってこんなに読みやすかったっけ？小隅黎氏の翻訳のなせる技なのか． ディックを彷彿とさせるディストピア世界．目が醒めたら俺の体と違ってる！どうなってるの？ジェイソン・ボーンを連想話させるけど原作の発表はボーンの方が先． 技術のコピーはかなりアクロバティック．主人公がバリバリの保守（っていうか政府に飼いならされた犬のようだ）なのもSFとしては珍しい・・・かな． 後半で宇宙に生活圏がある自由人集団に感化されリベラル戦士となるのか， そして謎はキチンと解決するのか！！下巻に乞うご期待じゃ！！！ 2016/11/01
サーモン好き
0
この主人公と同じような目にあったらと思うとヒリヒリしながら読みました。恋人の存在がとてもいいです..2017/01/11
