感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スターライト
4
下巻にはチェコスロバキア、ユーゴスラビア、東ドイツ、ルーマニアの4カ国9篇を収録。巻頭の「ターザンの死」は、アフリカの野生で育てられた男爵の一粒種の男がサーカスで芸を披露し、その謎を解き明かすといういささかふるめかしい作品。「ドラゴン」はファンタジイかと思ったがラストでひっくりかえされた。しかし何と言っても巻末の「アイクサよ永遠なれ」が圧巻。集中最長の140ページというボリュームもさることながら、ミステリとSFが見事に融合されている。上巻に続き、編者の解説「東欧SFの系譜」は資料的価値大。2011/10/02
NEED LESS
1
東欧のSF紹介アンソロジー下巻。本書ではチェコスロバキア、ユーゴスラビア、東ドイツ、ルーマニアの作家の作品を収録。歴史や文化、地理的な相違から、東欧と一口に言っても様々なSFの背景があります。ソ連の影響を中々脱し切れなかったり、逆にSFが書かれたのが遅かったもののソ連からあまり影響を受けなかったため独自の発展を遂げたりと。収録作家でしっているのはチェコスロバキアのカレル・チャペックだけでしたが逆に名前も知らない作家の作品を読むのは新鮮で良いですね。2015/03/12
nukuteomika
0
構成に凝っている作品が多かったような。上巻のショートショートっぽいものをもっと読みたかった2011/02/23
宫羋
0
チェコスロバキア、ユーゴスラビア、東ドイツ、ルーマニアの戦後SF作品を収録。上巻の国々はレムの登場がSFの発展に大きく貢献していたが、チェコはチャペック、ヤン・ヴァイスの影響が大きい。ルーマニアはイタリア、フランスと文化的に近く、この国々から影響を、東独はソ連SFの影響を受けている。ユーゴスラビアは政治的関係によりソ連SFの影響は少なく、逆に言えば東欧各国の中でSF発展の歴史が1番新しく、本格的に始まるのは70年代から。というのが下巻収録の国々のそれぞれのSF史概観。2020/08/01