内容説明
カル港第一の奴隷商人サモスに会うためヴォスク川をくだるうち、タール・キャボットは見知らぬ部族の戦士たちに取り巻かれ、捕らえられてしまった。戦士たちを率いる美しい娘がタールに迫る、生き恥をさらして奴隷になるか、それとも誇りある死を選ぶかと。迷ったあげくに、タールは奴隷になる道を選んでしまった。誇りを忘れたタールの運命は?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kagetrasama-aoi(葵・橘)
39
「反地球シリーズ」第六巻。今巻は、主人公のタール・キャボットが、神官王の為の任務の途中で囚われの身になり、死か奴隷として生きるかの選択を迫られ、奴隷として生きることに。ヒロイック・ファンタジーでは珍しい展開。その選択故に自己否定の独白が続いて、重たい話に…。流石に最終盤のカルを廻る攻防は華やぎがあって読みごたえありましたが。日本語翻訳版は今巻まで。神官王と〈他者〉との戦いはどうなるのか、読みたいです、残念です(涙)。2021/10/21
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
3
☆×4.0…日本翻訳分はこれで最後の巻。以後は出版国のみ。恐らくこの作品があまり受け入れられなかったのは巻ごとにムラが強いからと、ストーリーの設定上女性に対する扱いがかなり手厳しい、そして暴力表現がかなり強いのがあるからでしょう。ですが、ヒロイック・ファンタジーとしては強いタール(今回はボスク)が思い悩み、失恋し、そして立ち直るこの巻は面白かったですが。最大の試練、奴隷という運命が待ち受ける波乱の巻。そしてその後にはカルという土地をまたにかけた壮大な戦いが。長かったけれど本当に読みがいがありました。2013/05/23