出版社内容情報
【ローカス賞 ドラゴン賞候補作】
極地の古代大建築物に秘められた真実とは?
世界が鮮やかに覆る超絶展開SF!
時は19世紀。医師サイラス・コードが乗船する小型帆船デメテル号は、ノルウェー沿岸のフィヨルドへ極地探検にむかっていた。目的地には、古代に建造されたとおぼしき謎の大建築物が存在するという。ついに現地に到達した探検隊は、先着したライバル船のたどった運命を知る。そのとき、予想もしなかった事態が出来する……つぎつぎと明らかになる真実は、読者を予測不能の展開へと誘う! ローカス賞、ドラゴン賞候補作。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もち
14
「きみから教わった歌も、経験した物語も。なにも持ち帰れない」◆19世紀、巨大建築物を求めて潟湖を行く帆船。だが船体は損傷を負い、医師のサイラスに巨大なマストが倒れ掛かる――。物語は、ここから。想像の埒外で展開する、人間たちのサバイバル。■良質で先鋭的なミステリやSFに特有の、足元が抜け落ちるような感覚。それを何度も、何度も味わえる意欲作。海洋冒険小説から刻々と主題が切り替わり、読み進めるうちにようやく合点がいき、更なる困難が待ち構える。翻弄することに心血を注いだ、エンタメの到達点。2025/07/12