内容説明
ファファードとグレイ・マウザーは君主の命を受け、他国への贈り物を積んだ船団の警護につく。異界からの侵入者の助けを借りて、からくも使命を果たしたのだが…復命のため戻ったマウザーを待っていたのは、ランクマー全都を震撼させる大陰謀だった。マウザーの窮地を知って、戦乱の地を抜け風雲急を告げる古の都へと馳せるファファード。シリーズ初にして唯一の長編登場。
著者等紹介
浅倉久志[アサクラヒサシ]
1930年生まれ。大阪外国語大学卒業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Akito Yoshiue
12
続巻を是非読みたいので創元さんよろしくお願いします。2021/01/21
ワッピー
4
その昔に出会ったF&GMシリーズもやっと最終巻の日本語版が出て、ようやくキャッチアップ。冒頭の債鬼連中の襲撃を退けた二人はそして一転ランクマーの支配者ゲリプケリオの命を受け、八都の国の国王への贈り物を積んだ船団を護衛することに。謎の敵の襲撃は、船のみならずランクマーにも及び、ついに都は敵の攻撃にさらされ、敵の支配に屈するかに見えたが・・二人の師匠シールバとニンゴブルも相変わらずの適当っぷり。グレイ・マウザーの敵地潜入とファファードの最終兵器起動は功を奏するのか?古い神々にも善戦した今回の敵、あっぱれ。2015/08/30
スターライト
4
長身痩躯の野蛮人ファファードと、魔法使いの弟子で灰色の小男グレイ・マウザーのコンビが織りなす冒険譚も、本書で最後。女と金に弱く、虚栄心のかたまりのような二人はおよそヒーローらしくなく、むしろ自分の周りにもいそうな身近な存在。剣をとらせれば誰にも負けない二人だが、人間らしさゆえに危難に陥るところが読者をはらはらさせ、シリーズを魅力的なものにしているようだ。あとがきによるとライバーによる続篇があるようだが、浅倉久志氏の絶妙な訳文が彩りをそえていただけに、氏亡き今、浅倉訳のそれを読む機会が失われたのは惜しい。2011/06/19
aki
2
2005年の出版。著作リストを見ると、未訳のファファード&グレイ・マウザーものが、あと2冊くらいあるが、創元は出さんのかね。新装版が出てるくらいだから、結構、人気のあるシリーズだと思うが。翻訳を切望。凶運の都、ランクマーに滞在する2人。愛する人たちを非道な方法で殺害され、復讐に立ち上がった2人は…という展開。ライバーが毎年のようにヒューゴー賞を受賞していた油の乗り切った時期に書かれた作品。「影の船」「骨のダイスを転がそう」、この作品と実に多彩だわ。2019/01/22
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
2
☆×3.5…シリーズ唯一の長編です。ちょっと展開がやはり短編とは違って冗長な感じは受けてしまいました。ですが、いつもどおりの二人でありましたね。酒好きで、女たらしで…どうしようもない二人ですが彼らは大好きですよ。ランクマーに襲い掛かった最強最悪の災難。実はそれを防ぐべく鍵は序盤に存在していたのです。ですが巧みなる陰謀にだまされた結果…少し終盤の展開に不満が残りました。ある人の行く末が明記されていなかったので。でも真実が明かされた事態で避けようのない運命でしたが…面白かったです。シリーズ通して。2013/01/14