内容説明
大学で文化人類学を教えるノーマンは、最愛の妻の部屋で奇妙な品々を見つけた。いずれも魔術の道具である。彼は妻を叱って、すべて捨てさせたのだが…。そのときから、順風満帆かと思われていた彼の教員生活は、一転して不運にさらされる。あの品々は、本当に彼の身を守ってくれていたのだろうか。鬼才作家ライバーが魔術を斬新な観点からとらえたモダン・クラシックの名作。
著者等紹介
大滝啓裕[オオタキケイスケ]
1952年、大阪市生まれ。翻訳家
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感想・レビュー
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miroku
17
奥様はみな魔女!2017/01/29
更紗姫
2
今はなきサンリオSF文庫で読んだ時は、大学教授の職場で奥さん方のサークルが何の関係があるの?とピンとこなかった。夫婦二人で参加するコミュニティとか、職場のパーティもカップルで出席するのが普通とか、当時の日本では全くイメージ出来ない生活。今は何となくわかるかな?旦那の世俗的成功を裏で支える、貞淑な妻という仮面の下の魔女たち。ノーマンは、何も知らずに掌でころがされていた方が幸せだったのだろうか?2013/12/26
南禅寺の小僧
1
ライバーの映像的な筆致が光る。2020/01/22
りゃーん
1
本作の魔法・魔術のメタファーはいっぱい想起できる。 同じ街に住み、夫が同じ勤め先の妻たちの鍔迫り合いは現在日本の公園デビューや江角マキコでよく聴く話だし、その女たちのパワーバランスをよく魔法というタームで描いている。 だが同時に男からすれば、女とは謎で、カノジョにしても妻にしても判らないトコだらけなのだ。 女同士では判るらしいし、女は男を判っているらしい。 そういう女の判らぬトコを魔法とした本書に送る賛辞はやはりキュートがいちばん相応しい。2014/10/12
motoshi
1
奪われたり入れ替えられたり。2014/05/03