感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kokada_jnet
75
1960年刊行のハリスンの処女長編でヒューゴー賞候補となった、社会学的冒険SF。舞台は、敵対している人類グループと狂暴な動植物がいて、因習で凝り固まった「死の惑星」。よそ者の博打打が入りこんで、解決する。生態学的な描写もあり、『デューン 砂の惑星』の刊行の5年前に、既に、こんな作品が出ていたのか。発表舞台も『デューン』とおなじく『アナログ』誌。続編への伏線のばっちりあり。昔のSFは、このくらいの長さの中編タイプが普通だった。厚木淳の解説では、バラードとハリスンを「60年代の英米SFの期待の新人」と。2022/08/06
ニミッツクラス
19
69年(昭和44年)の160円の5版(初版67年)。翻訳中村氏で解説厚木氏。米60年の著者の長編一作目となる(短編としての「ステンレススチールラット」は57年)。本書を含む3部作が一気呵成の作品でない事は幸だった。勢いで書いたら構成が焦げ付くか御都合スペオペになってしまう。本書で間違いなく言える事は次の2点。一つは主人公ジェイソン曰く「10回は死んでいる」。まさにそんな惑星とそんな人間関係。2つ目は女性パイロットのメタに婉曲に言った「君たちは井の中の蛙だ」。良作。充電4年後刊行の2巻目へ進む。★★★★☆☆2020/07/31
たっつみー
3
謎の大男と腕利きのギャンブラー。大金をせしめて向かったのは大男が住む惑星。 あらゆる生物が人間に牙を向ける星で、人々が勝利をおさめるために彼らが見いだしたものとは。 半世紀前の古くさく、味気ないタイトルの小説だが、ただのアクション&ロマンスにはとどまらずなかなか面白い。苦虫を噛み潰しながらも前へ進む道を選んだラストが心に残る。2019/10/17
樹文緒
1
これは衝撃的な作品。映像で見た方が楽しめそうな印象。メッセージ性が強い。2017/06/05
Arte
0
この展開の速さ、あっさりしていて、それでいて深みのある味。傑作やね、傑作。2012/07/23