出版社内容情報
地球が緑色の大流星群の中を通過し、翌朝、流星を見た者は一人残らず視力を失ってしまう。狂乱と混沌が全世界を覆った。今や流星を見なかったわずかな人々だけが文明の担い手だった。しかも折も折、植物油採取のために栽培されていたトリフィドという三本足の動く植物が野放しになり、人類を襲いはじめたのだ!英国SFの不滅の金字塔。
ジョン・ウィンダム[ジョン・ウインダム]
著・文・その他
中村融[ナカムラトオル]
翻訳
内容説明
その夜、地球が緑色の大流星群のなかを通過し、だれもが世紀の景観を見上げた。ところが翌朝、流星を見た者は全員が視力を失ってしまう。世界を狂乱と混沌が襲い、いまや流星を見られなかったわずかな人々だけが文明の担い手だった。だが折も折、植物油採取のために栽培されていたトリフィドという三本足の動く植物が野放しとなり、人間を襲いはじめた!人類の生き延びる道は?
著者等紹介
ウィンダム,ジョン[ウィンダム,ジョン] [Wyndham,John]
1903年、英国イングランドのウォーリックシャーに生まれる。さまざまな職を転々としながら短編小説の執筆をはじめ、1931年、SF雑誌“ワンダー・ストーリーズ”でデビュー。1951年に『トリフィド時代』を発表し、一躍読書界の注目を集めた。1969年没
中村融[ナカムラトオル]
1960年生まれ。中央大学法学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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absinthe
183
歩行する肉食植物がいる時代、流星雨を見て大半が失明してしまった人類の生き残りをかけた戦い。トリフィドのリアルさが面白い。一見、思考は無いように見えるが意外にずる賢かったり人を捕食するために工夫を凝らし始めるあたりが薄気味悪くて興味深い。必見は植物より人類の反応。文明は衰退、都市機能も喪失。失われていく技術。様々な種類の共同体が生き残りのために知恵を使うのだが。古い倫理を捨て新たな社会を作ろうとするも、悲しいかなそこには人間の醜いエゴが。植物の恐ろしさより追い詰められた人間の恐ろしさ。2023/06/24
KAZOO
108
この作品はかなり以前に読んで、三本足の木が動き回ることだけは覚えていますがそのほかの内容はすっかり霧の彼方になっていました。新訳が出ているということで再度読み直しました。今回は、動き回る毒の触手をもって人を襲う木よりも緑のすい星を見たことによって視力を失われた世界での人々の行動に目が行きました。今までの世界を取り戻そうとする人々、封建時代の世界を作ろうとする人々、宗教による救いを求める人々などが出てきます。よく考えられています。2025/11/01
ねりわさび
64
1951年に上梓されたSFカタストロフ小説。全人類の多数が突然失明し残された目が見える者たちを求めて様々なコミュニティが争奪戦を開始。平行して人類を集中的に殺害する植物トリフィドが無言のまま繁殖し、全土をさまよい始める。バトルアクションではなく、残された人類の動向を描いた人間ドラマで構成されており、哲学的な作品でもあります。新刊による新訳なので他社作品より読みやすくなっており面白かったです。2021/02/04
魚京童!
43
目が見えなくなった世界でどうやって生きるのか。そりゃーまずはコンビニを抑えるよね。そして棒切れを支えにして、部屋に閉じこもるしかないのか。結構簡単に絶望してしまうな。こんなに視覚に頼っている人生だからな。やっぱりお酒を飲んで、飛び降り自殺が幸せなのかもしれない。目が見えないと生きる価値がないとか考えてしまうよね。目が見えないだけなのに。2018/10/28
星落秋風五丈原
33
【ガーディアン必読1000冊】ある日見逃してはいけない流星群を観測できるまたとないチャンスが訪れる。生憎目に怪我をして包帯をしていたメイスンは、看護師から「こんな素晴らしいものが見られないなんて本当に残念」と嫌味っぽく言われる。まあ、これだけしつこいと伏線だという事が分かる。流星群を見た人は、一人残らず目が見えなくなっていた。更に、メイスンの怪我のもととなった、植物油採取のために栽培されていた植物トリフィドが、人類を襲い始める。何を思っているのか全く分からず、その事が恐怖を駆り立てている。2018/12/26




