感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takeakisky
0
中盤まで人間論とタナクアトゥア島の歴史について語られ、少し生真面目気味のヘイエルダールを読むかのよう。アク・アクを思い起こす。架空の島の架空の歴史ではあるが、リアリティに富む。中盤以降は慌てず騒がず静々と恐怖が寄せてくる。帰国したと言明されている主人公の手記体裁なので生きて帰れたことははっきりしているが、なかなか気が抜けない。イギリス人で蜘蛛が社会性を獲得するいうとウィルソンのスパイダーワールドが記憶に残る。読み返してみますか、と思うものの、面白いけれど長いし、第三部以降日本語になってないし、悩ましい。2022/07/06