内容説明
不滅にして制御不能な新種の災害、“原子渦動”。渦動制御研究所の次長だった核物理学者ニール・クラウドもこの渦動に襲われ、一瞬にして愛する妻子を失った。だが、それと引き換えに渦動を破壊するアイデアを得た彼は勇躍渦動に挑みかかるが、瀕死の重傷を負ってしまう。しかし彼はレンズマンの助力を得てよみがえった―その名も“渦動破壊者”として。シリーズの掉尾を飾る雄編。
著者等紹介
小隅黎[コズミレイ]
1926年金沢生まれ。1950年東京工業大学卒業
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感想・レビュー
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白義
8
レンズマンシリーズの最終巻だが、時系列的には他の全てのスピンオフと同じく正編第四部の以前なので今回は大詰め前に読了。大宇宙時代の原子力発電から生まれる負の副産物、宇宙規模の災厄である「原子渦動」を唯一消滅できる主人公がそれにまつわるトラブルと謎を追う冒険ロマン。正編のようなインフレの連続、超スケールはなく猫娘やギャンブル戦など軽妙なスペースオペラとしての面白みが大半……と思ったら最後の最後でまたやらかしてくれて嬉しい。ただ、基本的にこの作者の文章は際限のないぶっ飛びでこそ本領が発揮できるのと思ったのも本音2018/01/30
かず1号
4
このシリーズは全部完読していたと思っていたら、図書館でパラパラと読むと記憶にない。借りて読んでみたら途中のチェスの場面の5,6頁だけ記憶にあり、それ以外は全然記憶にない・・・。 まだボケる歳ではないと思うが(-_-;) 本としてはこのシリーズとしては珍しく連作短編集で、ちょっと違和感がある。2018/05/24
kuma-kichi
1
レンズマン外伝、といったところ。確かにこれはスペースオペラではないなあ。これで最後、というのは、ちょっと残念な気もする。(いろんな意味で)2017/04/05
冬至楼均
1
レンズマン以外が主役の外伝。まあレンズマンに成り損ねた人間にも優秀な人間はいると言うことで…。2012/09/28
いちはじめ
0
レンズマン・シリーズの最後。といっても、主役はレンズマンでない外伝。作中の時系列でいえば「第二段階レンズマン」の後になるようだ。ここまでくるともはやスペース・オペラではないかも。2004/05/29