創元推理文庫
叫びの館〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 354p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488591021
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

突出した能力を持つサヴァンたちを対象にした超心理学のプロジェクトを推し進めるウェス・マーティン。実験場に集められた被験者たちの個性豊かな振る舞いと、同僚のソーシャルワーカーに手を焼きながらも、計画は順調に進行していた。ウェスの計画とは、被験者たちの人格を統合してそれぞれの能力を備えた「フランケンシュタインの怪物」を創り上げるというものだった。だが研究チーム内に潜む恐るべき殺人者がウェスたちに魔の手を伸ばす。

ジェイムズ・F・デイヴィッド[ジェイムズ・F・デイヴィッド]

公手成幸[クデシゲユキ]

内容説明

アメリカの閑静な大学町に館を借りた心理学者ウェス・マーティンは、サヴァン症候群の若者たちが持つ能力の断片を集約し、大いなる“統合人格”を生み出すという研究をしていた。それぞれ豊かな個性を持つ被験者たちに翻弄されながらも、ウェスは目論みどおり統合人格フランキーを誕生させるが、時を同じくして、町では四十年前に起きた連続殺人を彷彿とさせる事件が発生する。

著者等紹介

デイヴィッド,ジェイムズ・F.[デイヴィッド,ジェイムズF.] [David,James F.]
アメリカの作家、心理学者。オレゴン州にあるジョージフォックス大学の教授。SFやホラーのモチーフを、ミステリの筋立てで書くジャンルミックス的手法で長編作品を執筆。1995年、Footprints of Thunderでデビュー

公手成幸[クデシゲユキ]
1948年生まれ。同志社大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

135
最先端の心理学・脳生理学研究の産物からトンデモナイものが生まれてくる恐怖。でも、この上巻はまだそんなに怖くない。悪の存在がまだ大人しいから。も先を読ませる期待感はバッチリ。最近のabsintheは、テンポの速すぎる小説より、少しテンポが遅くても人物の描写が多めな方が楽しめることが解ってきた。本作は後者。下巻も好人物が殺されていくのだろうか…このテーマなら冒頭の惨劇は余計。うっかりどこかから悪意が紛れ込んできたというより、善人ばかりを繋ぎ合わせて合成された人格が何故か悪というほうが面白いし怖い。2017/02/20

HANA

54
実験してたらえらいものが出てきたという、所謂フランケンシュタインもの。上巻は実験の様子や各登場人物の背景等、助走のような感じで終わった。心理学の実験で人間の内面から何かが溢れ出してくるというのはこないだ読んだ『覚醒するアダム』等と共通してるのだけど、テーマ的にはやはり一昔前のように思えるなあ。『ロルドの恐怖劇場』だと医学自体が科学の最先端にして恐怖のテーマだったけど、一世紀経っても心理学という違いはあれ、そこの部分はあまり変わってないように思える。最先端の科学や実験というのは、恐怖と親和性高いのかなあ。2016/11/04

pulpo8

22
局部が切り取られているという出だしに「これクソ小説かな…」と危惧を抱いたが、下品になりすぎる前にアクシデントが起こる構成が良くて意外と読めた。ただ物語が動くのが遅く、半分までページをめくる手が進まず。上巻は序章か。そしてホラーを期待したのに全然怖くない(笑)。むしろ笑えるシーンが結構ある。教会のウェスとラルフには笑った。著者が心理学者のため、心理学的な話し合いに興味を持って読める。レンの格言も面白い。ウェスとエリザベスの関係は微笑ましい。半裸のイメージが抜けない、とかギルの性的衝動とかバカっぽいけど。2016/09/28

にゃー

4
プロローグは読ませたけど前半は一人一人紹介して集められていく序章。キリスト教っぽい哲学は面白い。2019/06/29

花川戸助六

3
てんこ盛りの内容で始まります、これ下巻は絶対読まないとダメです。2016/09/13

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