内容説明
天使のような声で歌うヒット曲『ヴァンパイア・ジャンクション』で、世界じゅうのティーンエイジャーを虜にした12歳の美少年ティミー。だがその実体は、みずからの歌そのままの吸血鬼。死の恩寵さえも得られず、ただひとり二千年もの夜を旅してきた。渇きを癒す血を、失われた過去を、そして安らぎを求めて…。永遠の少年が物語る血の遍歴。伝説のロック・ホラー、ついに登場。
著者等紹介
金子浩[カネコヒロシ]
1958年生まれ。翻訳家
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感想・レビュー
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アカツキ
9
ロックスターの少年ヴァンパイアが主人公。オカルト色が濃くB級ホラー風味、ユング心理学もチラホラ。出だしから著者と相性が悪いと感じていたけれど、耐えきれず途中で脱落。あとがきによると原作は3冊目まで出ていて、スピンオフ作品もあるとのことで人気らしい。2019/11/13
眠る山猫屋
6
再読。12歳のロックスター・ティミーは、その妙なる歌声の奏でるが如くヴァンパイアなのだった…。そして女性精神科医や、かつてその歯牙にかけた少女との出会いを通して運命の輪が動き始める。ティミーを狩ろうとする者たち、守ろうとする者たち。特筆すべきは(あとがきにあるように)アン・ライスのレスタト以前に描かれていること。ただし最後はちょっぴり哲学、否宗教かw2011/02/01
めがねまる
3
音楽の描写が絶品。話は語り手がコロコロとかわるので少し読みにくいが面白かった。2011/02/02
マサトク
1
「スターシップと俳句」のソムトウ先生によるヴァンパイアロマンホラー作品。千年以上を生きるヴァンパイア少年ティミーの過去と現在のエピソード、彼によって吸血鬼にされてしまった人々と、かれらを取り巻く人々の物語が重層的に描かれる。実際非常に読みでのある一冊ではあったなあ。ティミーをヴァンパイアにした存在の過去、が気になるのだけど、そこは軽く触れられるだけなんだよなー。「こう終わるのか」というのはなかなかに面白かった。ヘンテコな読み味が好きになれたらよい作品かもしれん。2023/12/26