出版社内容情報
豹の精霊に憑かれた娘、狼の精霊に憑かれた男、さらにもうひとり獣の精霊憑きが……。なぜ穢れとされる存在が三人も揃ったのか。折しも都では聖王の容態が悪化していた。
内容説明
イジャダの護送中、イングレイは何度も彼女を殺そうとする。だがそれは彼の意志ではなく、何者かが植えつけた呪だった。だれが、なぜイジャダを亡き者にしようとしたのか。さらに王女の夫であるイングレイの従兄弟ウェンセルにも獣の精霊が憑いていることが判明。自分たちのような存在が、なぜ三人も揃ってしまったのか。折しも都では聖王の病が悪化していた。
著者等紹介
鍛治靖子[カジヤスコ]
東京女子大学文理学部心理学科卒、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tom
22
シリーズ3作目の下巻。この巻の前半は、少々タラタラと進行。でも、王が病死し、主人公が無理やり悪役に引きずられての逃走劇から始まる展開は、なかなかの盛り上がり。ファンタジーにもこんな展開があるのだと、私は大喜びして熱中してしまった。マクマスター・ビジョルドは、他にもファンタジーを書いている。でもSFもあるらしい。次に何を読もうかと贅沢な悩みとなったのが嬉しい。教えてくれた読友さんに感謝。2025/02/11
Masa
13
読了。「ははん、ビジョルドでも結局こうダラダラと書き続けることもあるわけだ。最後までこのシリーズ取っておいたのは失敗だったかな」と思ったわけです。バカ! おれバカ! すべてはクライマックスのために用意されていました。おおん、すべてまとまったよぉ。もう鳥肌だったよぉ。まぁただ、前2作と明確なつながりがないという点には少々がっかりというか、もったいないというか。そういう思いはあるのですが……。『魔術師ペンリック』も読み直すかな。2019/07/23
夜の女王
9
☆☆☆ ウェンセルの目的ははたして何か?そこがこの物語のミソなのだが、かなり普通。というより、あまりにも普通すぎてかえって意外だった(世界征服なんて目的だったら白けたでしょうね)。しかし、そのためにここまで面倒臭いことをしなくても…という突込みを入れたくなる。とはいえ、ローマ帝国のケルト人征服を連想させる古代ウィールドの伝説や聖王権をめぐる諸々、いずれも大好物設定なので楽しく読めた。2013/01/11
sin
8
思いがけない展開というのは使い古された言葉だろうが、この物語にはぴったり、結末のハッピーエンドは予定調和であってもそう感じさせない自然さがあって心地よい。このシリーズこれで終わりらしいが前作との接点のなさにシリーズというならもっと書き続けてそれぞれの物語の関連性を出すまで続けてほしいと文句をいいたくなるほど、もっと読んでみたいそんな印象的な物語でした。2013/05/30
しまっち。
6
主人公はやっぱり背負い過ぎてくたびれ感のある男性なんですね。最後はちゃんとイングレイとイジャダのハッピーエンドでよかった。前2作ほどではないけれどやっぱりビジョルド、面白かった。2018/09/18