内容説明
チャリオン国太后イスタは鬱々としていた。元国主の夫はとうに亡く、娘はチャリオンの国主となっている。では、自分は?このまま故郷の城で、とらわれ人のように一生を過ごすのか…。耐えられなくなったイスタは、わずかな供だけを連れ、巡礼の旅に出た。『チャリオンの影』に続く“五神教シリーズ”。ヒューゴー、ネビュラ、ローカスの三賞受賞。異世界ファンタジーの金字塔。
著者等紹介
鍛治靖子[カジヤスコ]
東京女子大学文理学部心理学科卒、翻訳家。梶元靖子名義もあり(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くりり
38
国主イセーレの母イスタの話、無気力で頼りなげだったイスタが、本来そうであった芯の強い女性に...。2021/01/07
宇宙猫
26
★★★★★ 前巻で国主となったイセーレの母イスタの話。前巻同様うじうじと考える主人公だけど、彼女の賢さと機転が際立って芯のつよい女性の物語になってる。展開が早くてサクサク読めてしまう。2019/01/17
本の蟲
12
長編スペースオペラ『ヴォルコシガン・サガ』作者による五柱の神々を崇める世界のファンタジー、『五神教』シリーズ2作目。前作『チャリオンの影』で国守一族の呪いが解かれた数年後。娘の戴冠でチャリオン国太后となったイスタが主人公。相変わらず城で不自由な暮らしを強いられていたイスタは、巡礼という名目でわずかな供を連れて旅に出る。そして再び襲われる不可思議な夢。神々に翻弄されるのは、もはや勘弁して欲しいと願いつつ、イスタの行先には多くのトラブルが待ち受けるのだった2021/09/27
綾乃
10
うわー、ファンタジーで40才の中年女性が主人公なんて、なんだか斬新だ・・・。守人シリーズのバルサだって30代だった。(ちょっと勇気がわく。)前作のカザリルの時もそうだったのだけれど、神様に文句をいい、「なぜ私が」と言いながらもスゴイ威力を発揮していく主人公。 読んでいくうちにどんどん引き込まれてしまい、結局深夜上巻が終わるまで読み続けてしまった・・・。(またやっちゃった。)そのまま今日から下巻に入ります。2018/04/06
やなぎにかえる
9
ヒロインは40代のイスタ国太后(現在娘が女王やってます)ってだけでも異色のファンタジー。様々な絶望や、後悔を経験した賢明(でちょっと皮肉屋)な女性の謎と冒険のお話。話が進むにつれ、イスタの強さや、冷静さに隠れた可愛らしさが見えて好きなんだよな~。イスタ母さんを取り巻く仲間たちも魅力的で、深刻な内容も多いのにウェットになり過ぎずテンポ良く進んでいく。学生の頃から何度も読み返しているが、何度読んでも夢中で読んでしまう。自分がイスタの年齢に近づくにつれ、新しい気持ちで感情移入できる。