出版社内容情報
亡き双子の兄を甦らせようと、先祖が隠した怪しげな霊薬を口にしたヴィクターが、死後の世界で目にしたのは……。若き日のフランケンシュタインを描いたダークファンタジー。
内容説明
分身のごとき双子の兄コンラッドの死。ヴィクターの喪失感はあまりにも大きかった。そんな時、闇の図書室の残骸で見つかった降霊盤がある言葉を綴った。『来たりて、よみがえらせよ』ヴィクターは隠された霊薬を発見し、コンラッドの恋人エリザベス、親友ヘンリーとともに、死せるコンラッドに会うため霊薬を口にする。若き日のフランケンシュタインを描いたダークファンタジー。
著者等紹介
原田勝[ハラダマサル]
1957年生まれ。東京外国語大学卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みろ
4
亡くなった兄を取り戻すために霊界にまでいくヴィクター、エリザベス、ヘンリー。前作よりもよりダークな冒険で、特に霊界の謎の存在が徐々に迫るあたりは、けっこう怖かった。城の地下にあった遺跡が何か、誰が彼になりすましたのか、いくつか謎は残ってるけど、とりあえず続きはないらしい。謎は謎のままがいいってことなのか?2014/02/17
冬見
3
「ぼくは、あたかも自分に隠しごとをするかのように、破りとったページを折りたたみ、そっと引きだしに入れて鍵をかけた。いつかそのうち……」土人形からの、うつわの創造。ウィルヘルムと怪物、そしてその契約。氷上の橇の夢。ラストシーンの落雷。メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』を彷彿とさせるような要素が多く、楽しんで読むことができた。(たまに「ああ、この人死んでしまうんだよなあ……」と暗い気持ちになったりもしたけれど。)ウィルヘルムと怪物の関係が、ヴィクターと怪物との関係と重なってぞっとする。2015/02/26
みー
3
前作を読んでからかなり時間が経ってしまったが、問題なくすぐに物語に引き込まれ、前作を思いだしながら読むことが出来た。今回もかなりの冒険譚となっているが、その内容は前作を凌ぐ勢いで、よりダークファンダジー色が濃く出ている。とてもバランスの取れた3人のトリオに今回もドキドキさせられ、大いに楽しませてもらった分・・これで終わりかと思うととても残念に思う・・。児童書の分類だが、大人が読んでも十分に楽しめる物語だと思う。2015/01/07
ハルト
2
読了:○ これで終わりなんだと、ちょっとびっくり。各人の身勝手さや傲慢さや欲望が生々しく噴出していて読むのが少しつらかったですが、そういう部分があるからこそ怪物フランケンシュタインを生み出すことができたのかなと。2013/11/08
Ra
1
錬金術に加え降霊術や死後の世界、前作よりオカルト色が濃い。泥人形に命が宿り、心を持たないまま成長していく様子と、恋人の復活を願うエリザベスの狂気ぶりが怖ろしい。2018/06/11
-
- 和書
- 古代インドの科学思想