出版社内容情報
領主の後継ぎ、幼きメカイルを襲う怪異。仇敵殺し、異教の儀式。そして巧妙な罠。幾重にも重なる幻惑と変化。闇の女王タニス・リーの精髄。ダークファンタジーの大作登場。
内容説明
安らかにまどろむ領主の息子を、怪異が襲った。黒い花の如き蛾が、幼子の体を持ち上げて天井から放り出したのだ。重傷を負い片腕がきかぬまま彼は二十一歳になった。領主の後継ぎゆえに、敵対する家の捕虜を殺さねばならない。古の異教の儀式。だが彼の前に、巧妙な罠が待ち構えていた。幾重にも重なる幻惑と変化。闇の女王タニス・リーの精髄。ダークファンタジーの大作登場。
著者等紹介
市田泉[イチダイズミ]
1966年生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白玉あずき
9
久しぶりのタニス・リー。絢爛たるイメージと妄想恐るべし。3晩頑張って読んでみました。下巻も拾い読みしました。すいません、どうしても駄目でギブアップします。私は登場人物に共感できる、もしくは先が気になって・・・という本しか読めないのかもしれん。この独特の世界を気持ちよく感じる人もおられると思いますが、どうしても途中からページ進まず。「銀色の恋人」では大泣きしたのに、「死の王」は途中放棄したことを思い出しました。2013/09/28
眠る山猫屋
8
久々のタニス・リー。取っ掛かりに躓きましたが、ハマればグイグイ進みます。まぁネタバレなので書けませんが、主人公メカイルの運命の唐突な波乱に驚かされた辺りから物語が加速していく様は、流石です。天使のごとき司祭アンジェレンの邪悪さ(?)、アダルトなテイスト、ますます進化したタニス・リー。好き嫌いは別れるでしょうが、おとしどころが全く読めない展開、下巻も楽しみです。2014/03/06
はち
7
いかにも「ダーク・ファンタジー」。最初の「メカイル編」は不可解なことが多すぎるのですが、その謎を次の「アニリア編」が解いてくれました。下巻の展開はどうなるのでしょうか。2016/04/09
Hugo Grove
7
最初の方は文章になかなかなれずページが進まなかったが、それに馴れる頃には話も回りだしいろいろとリンクしていく。辛抱して読み進めたかいがあった。2013/09/21
すけきよ
7
正直、タニス・リーは苦手なんだよね。どうにも、そのお耽美な筆致が……ところが、今作はその文体が、普通の「ファンタジー」ではあまりクローズアップされることのない部分―すなわち、日常的な暴力、差別、性―を浮き彫りにするのに非常にふさわしい。それとともに森や血臭、様々な匂いがページの間から立ち上る。リーなので、BL要素もあるんだけど、それよりも、中世ヨーロッパの「常識」を現代的な味付けすることなく、生のまま出されるため、全体的に漂う、得体のしれない禍々しさ、生理的・道徳的嫌悪感に脳が反応する。【つづく】2013/09/03
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