創元推理文庫<br> たたり

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創元推理文庫
たたり

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  • サイズ 文庫判/ページ数 332p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488583019
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

心霊学研究者モンタギュー博士は、幽霊屋敷として知られる「丘の屋敷」を調査するため三人の男女を呼び集めた。まるで意志を持つかのように彼らの前に怪異を繰り広げる「屋敷」。そして図書館に隠された手稿が繙かれ、秘められた過去が明るみに出るとき、何が起きるのか?幻想文学の才媛が描く、美しく静かな恐怖。スティーヴン・キング絶賛の古典的名作、待望久しい新訳決定版。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

287
あれこれと不満が残る。まず、邦訳のタイトル。たしかに"haunting"を辞書で引けば「たたり」の訳語が出てくるが、私の語感では「たたり」には意味のズレを感じる。動詞の"haunt"は「出没する」、「巣くう」、「憑く」といった意味だろうが、これらの中では「憑く」に魅かれる。タイトルとしての成否はともかく、内容的には「憑依の家」だろう。次に解説も気に入らない。本書を「恐怖小説の古典」と位置付けているが、書かれて未だ半世紀。古典というからには、歴史的検証を経て、しかも格調の高いもの―例えばポーくらいでないと。2016/05/12

ケイ

135
原題の意味を考えれば、「たたり」は誤解を生む困ったタイトルだと思う。「丘の上のとり憑く家」とでも言おうか。実際に主人公は、「たたられた」わけではない。自らの心の不安定さがこの屋敷の何かを呼び込んだのだ。悪霊を目にすることはない。彼女の心にとり憑くものにこの家が息を吹き込んだのだとしても。エレーナか夜に必死で手を握っていたシーンが最も恐ろしかった。わたしなら発狂してしまうのではないかと思うくらいに。心理の動きを見事に描いた良作。些か陳腐なタイトルが読む人を遠ざけなければいいなと思う。2017/06/11

扉のこちら側

91
2017年180冊め。【296/G1000】「たたり」と聞くと日本の怪談の洒落にならない恐ろしいものを連想してしまうので覚悟をして手を出したのだが、怖いことは怖いが思ったほどではなかった。小野不由美の『悪夢の棲む家』のように、もう少しこの屋敷にフォーカスを当てた旧訳の『丘の屋敷』のままの方がよかったと思う。主人公の不安定さと、何かを演じているかのようなセオの言動の面では面白味があった。2017/02/21

NAO

57
静かで不気味な<丘の屋敷>を舞台にした、スティヴン・キング絶賛の古典的名作。怪異現象の正体が明らかにされるわけでもなく、どうやら確かにいるらしい霊も何かよからぬことをするわけでもないのに、エレーナと他の三人が少しずつ引き離され、亀裂が広がるごとにエレーナの精神状態が不安定になっていく。第三者から見ると狂気に囚われているとしか見えないのに、エレーナ本人が幸福そうなのが何より怖いかも。2016/01/30

星落秋風五丈原

51
【ガーディアン必読1000冊】館の人格は希薄である。むしろ霊感の強いエレーナの妄想が、悪意のある館を生み出したのではないかとさえ思える。というのは、他の三人に比べてエレーナの館への執着が極めて強いからだ。姉の家に居候していた彼女は、館に呼ばれて初めて自分一人で価値を認められた。何事もなかったとしてこの地を去れば、また価値のない居候に逆戻りだ。だからどうしても館を離れたくない。そのような願望が悪意の館を作り出したように感じた。2018/05/17

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