内容説明
女優クリスの娘リーガンを突如襲う異変。ひとりでに揺れ動くベッド。部屋を包む冷気。そして少女は激しく変貌し、男の声で叫ぶ。彼女に何が起きたのか?だが、汚辱に満ちた黒ミサの痕跡が教会で発見され、クリスの友人である映画監督が惨殺されるに至って、事態は『悪魔憑き』の様相を見せはじめた。クリスは神父カラスに助けを求めたが、そのときはまだ知らなかった…目の前で善と悪との闘争がはじまろうとしていることに!ディーン・クーンツが絶賛したホラーの傑作が、いまここに復活する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ペグ
86
映画は視覚から入りオカルティックな印象のみが強いのだが、この原作は読み進むうちに全身にその内容はイメージとして染み込み打ちのめされた。宗教を背景にしながら、科学では解明されない悪魔との戦いは壮絶。究極の愛は自己を超え関わった人々への自己犠牲へと突き進む。濃密な読書の時間だった。傑作だと思う。2019/04/20
jam
58
映画シリーズを幾度も観ての再読。共に良い。古今東西、宗教や文化の違いはあるが「悪魔祓い」いわゆる「憑物落し」は世界中に存在する。映画では壮絶な悪魔祓いのシーンが恐怖を煽ったが、原作は精神医学的な記述が多い。精神医療は、脳生理学の研究から解明したことも多いが、明解のみを求めるわけではない。たぶん、人は誰しも憑物落しが必要で、それがうまく行けば、たとえ病を抱えていても健やかなのだろう。私にとってそれは読書だ。遥かな高みへも深い思考の谷へも瞬く間に旅し、その果てへ、静かに心の澱を置く。いくばくかの祈りと共に。2016/02/25
はなすけ
29
先日「ディミター」を読んだので再読。終盤、カラスが悪魔との闘いに絶望しかかっていた時、ふと目にしたリーガンの詩。「きれいなものを集めてママを作りたい…」その無垢な言葉に、使命感と信仰を取り戻すところから涙が止まらない。映画ではクリスの「あの子は死ぬのですか?」という言葉に、あきらめかけた神父がハッと我に返るという見事な差し替えになっている。映画に関してはディレクターズカットより劇場公開版が好きだ。ブラッティも亡くなってしまった。次は「センター18」にも挑戦してみよう。2020/01/10
藤月はな(灯れ松明の火)
28
住んでいる近所の本屋さんに置いていたため、購入しました。気絶者が出るほど恐ろしい映画と有名な「エクソシスト」。悪魔(悪霊?)に憑りつかれた少女を現代医学の観念から誤解していた皮肉や悪魔憑きということを立証する過程が詳しく、描かれています。確かにあのシーンは映像化したら怖いですし、女である身としては痛々しくてなりません。そして主人公の覚悟と最期に心打たれてしまいました。2011/05/08
miroku
21
悪魔は神の宣伝者である・・・。ならば神とはなんと残酷な存在ではないか。この世という試しの場で神父は苦悩する。『エクソシスト』は魂の物語だ。2013/09/23
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