出版社内容情報
〈ヴァルデマール正史〉において、繰り返し語られる、はるか昔の伝説の大魔法使いアーゾウと宿敵マ=アルとの戦いの物語が、そのヴェールを脱ぐ。〈魔法戦争〉三部作開幕。
内容説明
黒鷲獅子スカンドゥラノンは、ひとりで三頭もの敵を倒した小柄な雌鷲獅子ザニールの話を耳にする。彼女は小回りのきく身体と機敏な動きを生かして、普通では考えられないほど見事な戦法を編み出していたのだ。彼女は“沈黙の魔法使い”アーゾウが創り出した新種なのか?賢く柔軟なザニールに惹かれるスカンドゥラノンだったが、アーゾウの軍にはマ=アルの魔の手が迫っていた。
著者等紹介
細美遙子[ホソミヨウコ]
高知大学人文学部文学科卒業、英米文学翻訳家
佐藤美穂子[サトウミホコ]
大阪府出身。関西学院大学文学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アイゼナハ@灯れ松明の火
25
訳者も驚いたそうですが,鷲獅子とアーゾウの絆にホロリとさせられながら,第一部でここまで進んでしまうのかという怒涛の展開。『誰が<治療者>を<癒し>てくれるんだ?』分かってはいるつもりだけれど,その答えには涙が出そう。偉大な指導者が,傲岸な支配者に終始押されてしまうという展開に歯痒さを感じない訳ではないけれど,互いを尊重し慈しみ合うという精神はそもそも戦争には向かないものである訳だしね。さて,この後世界はどう変わってしまうのか…忘れてしまわないうちに続刊が出てくれるといいな。2013/06/03
詩歌
14
アーゾウの名前は悪役にも取れる、と以前から感じていた。秘密が多く、鷲獅子の創造者として独裁者のようであり不安を煽っていたと思う。そこを付くような展開。虐待を危惧する心遣いや、「際限ない"どうしぃぃてぇぇ?"という質問を浴びせられ続ける年月を味あわせてやりたい」など家族に対する愛情に温もる。対して「生死不明の家族がいる、消せない疑問が残り続ける苦しみ」にも言及している。3部作なのにここで第1部が終わるとは。2015/03/23
しまっち。
6
この第一部だけで魔法戦争は終結してしまうのね・・・。もうちょっとアーゾウに焦点を当てて欲しかったけども。ヴァルデマールの風&嵐をまた読みたくなってしまう。というかタルマ&ケスリーからでも。でもこの後も気になるからまずは第二部へ。スカンドゥラノンとザニール、〈琥珀の竜〉と〈冬の鹿〉それぞれの絆は深まり、この後の人々の生活を支えていく事になるのだろうが、さて何が起こるのやら。2017/09/26
明野 立佳
6
下巻。いろいろクライマックス。でも三部作なので続きが気になる。 最終的に、未来につながるわけですね。戦いの行方とその後は? 鷲獅子に再会したいです。2013/07/03
アクセプター
5
本当に第一部でアーゾウ逝去?あっさりしすぎてない?2013/08/02