内容説明
共通の脅威を前に、宿敵ヴァルデマールと手を結ぶことになったカース国。そのカースからの使節に同行した書記官カラルは、これまで信じてきたことがことごとく覆され混乱していた。この親切なヴァルデマール人が“白い悪魔”と怖れられる“使者”なのか?一方ヘイヴンでは、女王、テイレドゥラスの“達人”、そして鷲獅子までもが使節を待ち受けていた。待望の新三部作開幕。
著者等紹介
山口緑[ヤマグチミドリ]
1958年京都生まれ。同志社大学大学院修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アイゼナハ@灯れ松明の火
18
ヴァルデマールの長年の宿敵だったカースから同盟特使がやって来る。そのお付きの青年書記官カラルが一方の主人公(たぶん)。偏見に満ちたイヤな奴が徐々に鼻ッ柱をヘシ折られる話を想像していたら、あにはからんや。とっても素直な好青年で、こちらの鼻が折れました。ところで〈共に歩むもの〉の出自にかかる言及にはビックリ。完全に想定を超えていました。さて、下巻は悩めるアン=デシャの話になるのかな?楽しみです。2010/08/01
すけきよ
5
『伝説の森』直後の新三部作。3年空いたうえ、他のエピソードが2作挟まっているのでうろ覚え……でも心配ご無用。主人公がカース国の書記官カラルと、〈隼殺し〉から解放されたアン=デシャというヴァルデマールにとって完全な異邦人なので、ある種リスタートとして読むことができる。2010/08/08
Tatsuya
4
カース側から見たヴァルデマールという変な国についての描写が新鮮で凄く楽しい。それと同時に、『運命の剣』でケロウィンが散々苦労した変な国・カースの内情が色々知れるのも凄く新鮮で楽しかった。懐かしい面子もどんどん登場するし、良い感じ。下巻でついに顔を合わせると思われるカラルとアン=デシャがどういうことになるのか非常に楽しみ。2010/10/23
しまっち。
3
カース人のカラル視点で進んでいくのでちょっともどかしい感じがするけど、ヴァルデマールを他国視点で見るという新鮮さもある。彼らにアン=デシャの存在はどう写るのか。そのアン=デシャはモーンライズの影を内に残した不安に包まれているが、どうやらカラルとアン=デシャの二人を中心にストーリーが展開していく気配が。このシリーズも面白くなりそうだ。でも第3部がまだでてないんだよね・・・。2015/08/19
kogiku
3
カース視点は新鮮。使者はすごい存在みたいにずっと描かれてた気がするけど、外から見るとただの官僚に過ぎないんだな、と思う。2010/08/23