内容説明
1959年、ドラキュラ成婚に沸くローマ。吸血鬼への転化を拒み死期を待つボウルガードを訪れたのは、密命を帯びたボンド中佐。そして、彼を追う刺客の群!一方、ケイトはこの映画の都で、吸血鬼ばかりを狙う“深紅の処刑人”と遭遇する。その次なる標的はドラキュラ公本人か?太古より吸血鬼と敵対する“涙の母”とは何者か?虚実あやなす怪奇と幻想の年代記、堂々の第三部。
著者等紹介
梶元靖子[カジモトヤスコ]
東京女子大学文理学部心理学科卒、翻訳家
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
29
作品が進むにつれて、ドラキュラの登場が次第に減っていく。本作は三部作の中で最もドラキュラの露出が少ない。最初は世界各地に植民地を持つ英国女王の伴侶だったのに、本作ではモルダヴィア公女であるアーサ・ヴァイダの伴侶。シリーズ全編通したドラキュラの悪役がいない点も特徴。敵役となり得るのはチャールズ・ボウルガードだが、彼も百六歳。ジュヌヴィエーヴの愛によって長命は保ったが体は衰え瀕死の身で対決できない。交代するのはヘイミッシュ・ボンドだ。ヘイミッシュがジェームズのスコットランド読みと言えば彼の正体もわかろう。2018/05/31
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23
**ドラキュラ三部作③《最終巻》**1959年、ドラキュラ成婚に沸くローマ。吸血鬼への転化を拒み死期を待つボウルガードを訪れたのは、密命を帯びた007こと、ボンド中佐だった…。ついに物語は怒涛の展開を繰り広げ、終焉を迎える!?(紹介文・他より)――様々な作品の主人公。そして史実上の人物が入り乱れた、吸血鬼ドラキュラの物語は幕を閉じた…。 ⇒続き2013/10/20
めがねまる
20
いやー面白かったー!舞台は1959年のローマ。映画の都にふさわしく、イタリア映画の登場人物、関係者がわんさか登場。なにせメインの謎も敵も、どきついジャーロの世界そのままの姿なんだもの。マリオ・パーヴァやダリオ・アルジェントの顔が頭にチラつきサスペリアのテーマが流れる...!甘い生活を送る記者も!各部ごとに新聞記事が挟まる構成が臨場感と傍観者根性を煽る。文句無しに最高です!個人的にはルスヴン卿が名前(と短い発言)でのみチラチラ登場するのが妙に笑える。ルスヴン、相変わらずでありがとう!2015/09/10
月世界旅行したい
19
よく調べたなぁ。作者はニヤニヤしながらノートを作っていたんだろう。2016/06/23
かわうそ
15
今回は意外にも本格ミステリ。ミステリとしての切れ味はそれなりといったところだけど、007、太陽がいっぱい、エクソシストなど映画から有名どころが多数参戦していて今回も楽しい。解説によるとさらなる続編もあるみたいだけど読める日は来るのだろうか…2013/11/30