内容説明
うちのニワトリ小屋を荒らしているやつがいる。ショットガンを手に飛びこんだ農夫の前に、そいつが立ちはだかった。巨大な爬虫類のような頭部、鋭い鉤爪のついた前肢、太く長い尻尾。デイノニクス、はるか太古に滅びたはずの恐竜。やがて、次々に現われた恐竜たちはイギリスの片田舎の町を襲いはじめた…彼らは、いったいどこから。正真正銘、恐竜パニック小説の決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bugsy Malone
67
1983年発表作、不穏な導入に恐竜出自の由来から終息まで、今から37年前という時を感じさせない、とても面白い恐竜パニック小説でした。それ故に人間くさいといえばその通りなのですが、余り思い入れられない主人公の行動やそこに至るまでの出来事などが、読み終わってみるとあらかじめストーリーを立てる上でのものの様に思え、その部分に関しては流れを変えても良かったのではと感じてしまいました。2020/07/10
いおりん
7
僕は、前から恐竜好きで、ジュラシック・パークシリーズの小説も持っている。この小説は、それらに負けず劣らず面白く、恐竜の種類は割と少ないものの、とてもスリルがあった。ジュラシック・パークに、科学の面では劣っているが、ストーリー、キャラクターには、充分劣っていないと思う。ジュラシック・パークよりも、昔に書かれた小説なのに、同じくらいか、それ以上に面白いので、ぜひ読んでみてほしい。2021/09/18
KANEO
6
歪んだ自然主義思想を持つ利己的な権力者によって現代に甦った恐竜たちが英国の田舎町を恐怖のどん底に叩き込む恐竜パニック小説。 恐竜たちが人々に猛威を振るうまでの展開が王道で悪くないのだが、事態が収束していく過程が、いささかあっさりし過ぎな気がする。が、これは怪獣ファン故に思ってしまうことなのかな。 『ジュラシックパーク』に先立つこと6年も前に発表された作品なのが意外。少々時代が早すぎたか。 やけに頻繁に描かれる登場人物たちのセックス描写がなんか下世話。削っても良かったのでは?2013/06/27
錯乱坊
5
非常に映画的な展開のモンスター・パニック・ホラーです。とにかく中盤以降人間が食われまくる展開は好悪の分かれるところかもしれませんが、ジュラシック・パークの先輩作品として科学的根拠の部分は負けているかもしれませんが、冒険活劇としては十分面白い(上回っている)と思います。
アーサー・エリス
5
平和な田舎町で、再生された恐竜が巻き起こす恐怖を描くパニックホラー。恐竜が本格登場するまで結構時間がかかる上、主人公パスカルの狭量さや無駄に細かいペンワード婦人とのSEX描写のおかげで前半はダレるが、恐竜が登場してからは一気に引き込まれる。ペンワード邸での惨劇やタルボサウルスとの戦いもいいが、途中途中に挿入される一般人が恐竜の餌食になるシーンは特に凄惨で恐怖を引き立てる。あとがきでも言われているように、後発の『ジュラシック・パーク』にも引けを取らない恐竜スリラー。2018/10/11