内容説明
ジゼルは墓の中で目覚めた。どうやら霊魂だけの存在になってしまったらしい。でも天国に行けないのは、運命的に夫につなぎとめられているせい?夫は神経を病んだビジネスマン。そして自分を殺した男…。一方、癌に倒れ一旦昇天したものの、娘のことを気に病んだ母親は、救いの手をさしのべようと下界に舞い戻るが…。鬼才が、ユーモラスに、かつ辛辣に描く驚異の現代小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
25
90年(平成2年)の税抜612円の文庫初版。本書のジャンル・マークは“帆船(怪奇・冒険もの)”で、原題(=邦題)の印象と真逆なのが笑える。現在は灰背(Fレーベル)らしい。著者は「人類皆殺し」、中間の「虚像のエコー」、対極の“ちびのトースター”シリーズまで様々な小説が書ける。本書のオビには“昇天できない幽霊たちがくり広げる奇妙な騒動の顛末”とあるが、決して緩い話ではなく死後の世界の設定が興味深い。この設定を生かしてタランティーノ系ホーム・アローン的スプラッター幽霊話も書いて欲しかったなぁ。★★★★☆☆2024/11/08
**くま**
6
この作者さんを読むのはアンソロジーで読んだ「死神と独身女」(作者の短編集にも収録)と有名なトースターに続いて3作目。前2作が明るいライトタッチだったので、そういうのが読みたい今の私の気分にピッタリかと思っていたのですが、これは最初から重苦しい・・・。死にきれずに蘇った霊魂の話なのでした。タイトル見て経済界の話かと思ったけど、まったく関係ない。メインキャラのひとりがビジネスマンというだけで重要性ゼロのよくわからないタイトル。前半は若干文学調で後半は一転ライトに奇抜なスプラッタ。難しいような面白いような?2014/08/22
ろびん
3
なんとなく後味が悪いというか、すっきりしないなぁ。2018/05/18
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1
巽孝之『アメリカ文学史のキーワード』に出てきて読んでみたら想像通りの面白さ。夫に惨殺された女の幽霊が妊娠してて死者と生者の間に住う餓鬼のようなものが生まれて、という話の筋が、アメリカのキリスト教、オカルト、文学、資本主義などの文化的背景と絡めて展開されるSF(?)小説。殺人シーンが残酷過ぎて、もし映像化したら酷過ぎてギャグになるレベル。2020/04/13
yt
0
あいのこ産まれてから熱い2022/05/16