内容説明
《カフェ・パニック》の客たちが、一杯機嫌で口を開けば出てくる話は大ボラばかり。嘘は嘘を呼び、口から出まかせ出放題。東側の人々を破滅に追いやる法を編み出した暗い男の話から、虫歯の穴に洞窟絵画を発見し大儲けを企む悪い歯科医の話まで、抱腹絶倒、唖然茫然、異色のイラストレーター作家トポル氏の驚天動地のホラ話集成。挿絵もユニーク。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
90
カフェパニックに集まる「まだまだあるぞ」、「ブルガリア風味」、「うらおもて」と言った奇妙な名前を持つ面々が繰り広げるほら話の数々。ブラックユーモアにさらにブラックを2つぐらいつけたくなる黒い黒い笑いに満ちた話ばかりで、読みながら何度も吹き出してしまった。作者のトポルは有名なイラストレーターでもあるそうだ。彼が描いた絵が収められており、それもまたブラックな味わいに満ちている。どの話も面白いが、1つ選ぶなら最後の「半額の話」。宇宙規模の美人コンテストの話で、胡瓜に似たエイリアンの美女などが登場する。2017/12/03
きゅー
2
いきつけのカフェ・パニックで聞いたという様々なホラ話を開陳する、ユーモア短篇集。本当にバカげたホラ話が延々と続くものだから、作者は本当にバカなんじゃないかと思ってしまうかもしれないが、実は対象をきわめてグロテスクに描くことで、読者に苦笑い(そして失笑)を与えつつも、そのまま描いては直接すぎる児童虐待、宗教問題、政治問題を視野に入れているもんだから「バカバカしい」だけの話ではない。だからといって真面目に座って読むのもなんだし、細切れの時間にサクッと少しずつ読むのが妥当か。2011/12/05
madhatter
2
トポル氏の作品は前から気になっていたが、期待以上…と言うか、期待の斜め上を行く。馬鹿と紙一重の奇想天外さが楽しすぎる連作短編集だった。いや、すでに馬鹿なのかもな。カフェ・パニックに集う酔っ払い共の話は、超絶に面白くて、時折超絶に怖い。そしてヘンに冷静な語り手のツッコミがまた笑える。但し、笑いの質は時折洒落にならない程に不謹慎になるので、自分で読むにも人に勧めるにも、注意を要する。宗教ネタとか虐待ネタとか、トポル氏の身は大丈夫だったのか…。2010/07/27
motoroid
1
カフェに集まる悪友たちから聞いたホラ話・バカ話を集めたという構成。読みながら、モンティ・パイソンを思い出した。自分の好みとはまったく別のモノだからこそ、異文化の一部に触れた感じがして面白かった。2010/09/05
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