内容説明
19世紀の末のロンドン。失業者のホルトは、政治家の邸に盗みに入った。彼を見とがめた政治家は、ホルトの発した「黄金虫!」という一語に、突然わなわなと震えだした。黄金虫とは何か?謎は謎を呼び、ついに総毛立つような事件が…。ヴィクトリア朝のロンドンを舞台に、探偵、政治家、令嬢、怪盗どもが繰り広げる怪奇絵巻。巨匠の代表的作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
qoop
8
三十年余の積ん読本(自分にとって最古層)、遂に読了。東洋の淫祠邪教にまつわる呪いを扱った怪異譚。章ごとに異なる語り手を立てた一人称・四章構成で、視点が変わると同時に雰囲気も変わるのが面白い。多面的な描写は怪奇/探偵小説の曖昧な境界を強調し、その幅広さを示す。反面、怪異の顕現に統一感が欠ける嫌いも否めず。特に中盤で怪物の神秘性を損なうかのような展開があるが、これは(探偵小説としてはともかく)怪奇小説としては減点ではないか。2017/03/18
金木犀
0
1986初版 リサイクル2009/03/18
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