出版社内容情報
エルミーヌの王都にある王立学院で学んでいたカレンスは、父危篤の知らせを受け急ぎ故郷に帰った。五年前、仲のよかった妹が魔物棲みだとわかり若い命を散らしたとき、守ってやることもできず、逃げるように都に向かったのだ。久しぶりの故郷。だがいまわの際の父が彼に託したのは、余りに重い秘密だった。魔導が禁忌とされてきた北の大国エルミーヌを舞台に、偏見や因習と闘い新たな道を切り開く青年の姿を描く『魔導の系譜』続編。
佐藤さくら[サトウサクラ]
内容説明
王立学院で学んでいたカレンスは、父危篤の知らせを受け、急ぎ故郷に帰った。五年前、魔物棲みの妹が若い命を散らしたとき、逃げるように都に向かって以来のことだった。久しぶりの故郷。だが死を前にした父に託されたのは、余りに重い秘密だった。魔導が禁忌とされてきた北の大国エルミーヌを舞台に、偏見や因習と闘い新たな道を切り開く青年の姿を描く、『魔導の系譜』続編。
著者等紹介
佐藤さくら[サトウサクラ]
福岡県出身。西南学院大学卒業。2015年、第1回創元ファンタジイ新人賞優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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TERU’S本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くたくた
34
重苦しい話なのに何故か読みやすい。しかし主人公カレンスの優柔不断さにイライラする。それが現実の自分や周りいかにもいそうなキャラクターだから。そういう意味でものすごく現実味があるのよ、佐藤さくらさんの作品は。前作のレオンやゼクスも登場。誘拐されるって、レオンはすでに「お姫様ポジション」なんじゃないか?狩に行って家にもどったらレオンが攫われていたゼクスが憐れ(笑)、またも師匠を探す弟子。ラバルタ、シェール、エルミーヌ3国それぞれの魔導事情を背景に、二人はエルミーヌで魔道士の生存権獲得のために働くことになる。2024/12/29
ときわ
14
ラバルタがひどい国だと思ったが、上を行く国があった。エルミール!徹底してる。しかも後の方で明かされたが、ものすごく残酷なのに、やってた人は誰もそのことを知らなかったなんて。昔何事かがあってどこの国も魔法使いを忌避するようになったらしいが、具体的なことをきちんと伝えていないようだ。それがとても不思議だ。使いようによっては建設的な使い方もあるだろう。シェールはちょっとだけ使ってるが。何より力を持っていることが分かった時点で、地下に潜ってこっそり影の国を作っちゃおうとした人たちはいないのだろうか。知りたい。2019/07/12
りー
12
前巻のラバルタから、舞台は隣国エルミールへ。3つの国の魔法への立場がはっきりしました。①戦闘力としてのみ採用し、あとは徹底差別をするラバルタ。②宗教的な立場から制御不能として生を奪うエルミール③一部差別を残しながら便利な力として生活の中に取り入れるシェール。「真の弱者とは、存在すら認識してもらえない者だと思います」というアニエスの言葉に深く頷きました。魔導士、という形をとっているけど、物語が描きたいのは魔法自体ではない、と分かった第2巻でした。その意気や善し。やっぱり、レオンはいいな。灯火のような人。2018/09/12
tom
12
魔導の系譜の続編。シリーズ物だったのだ。前作の登場人物が、ほんの少ししか出てこないことが寂しかったのだけど、ストーリー自体はなかなかのもの。きちんとした世界観があって、その中で生身の人間が動いていて、本当に良質のファンタジー。日本のファンタジーには、他に類を見ないレベルの高さと、私は大絶賛。さらに続編も出ていて、これも楽しみ。2018/05/08
Yoko
12
思っていたような前作の単純な続編でなく、同時代の近隣国の若者を主人公に据えた兄弟編のような作品。前作ですっかり馴染んだこの世界の設定に新たな側面が加わる。畏れ、無視され、虐げられるのは「魔物憑き」だけでなく社会におけるマイノリティーの存在。魔導を単なる善悪でなく他者を護るものとするのか、あるいは害すものとして利用するのか、各々の立場と思惑で違ってくる様。ファンタジーでありながら現代の人間社会とも通ずる普遍的な問題を描きグッと濃く大人っぽい内容になっている。良かったです。2017/04/01
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