出版社内容情報
魔導士が差別され、虐げられている国ラバルタ。田舎で私塾を開いている三流魔導士レオンは、魔導士の最高機関〈鉄の砦〉からひとりの少年を託される。幼くして家族を殺され、桁違いの潜在能力がありながら、魔導を学ぶことを拒む少年ゼクス。頑なだった少年は、レオンの辛抱強い指導の下で才能を開花させていく。やがてその力を認められ〈鉄の塔〉に召喚されたゼクスだったが……。第1回創元ファンタジイ新人賞優秀賞受賞作。
佐藤さくら[サトウサクラ]
内容説明
魔導士が虐げられている国ラバルタ。田舎で私塾を開いている三流魔導士レオンは、魔導士の最高機関“鉄の砦”から一人の少年を預かる。幼い頃家族を殺され、桁違いの潜在能力がありながら魔導を学ぶのを拒む少年ゼクス。頑なだった彼は、レオンの辛抱強い指導で才能を開花させる。だが、それが王国の運命を大きく変えることに…。第1回創元ファンタジイ新人賞優秀賞受賞作。
著者等紹介
佐藤さくら[サトウサクラ]
福岡県出身。西南学院大学卒業。2015年、第1回創元ファンタジイ新人賞優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
77
この作品の主人公は並外れた魔力を持ちながらあまりにも弱くてもろい。間違った道へも進む、とても人間臭いヒーローだ。魔導士が虐げられている国で私塾を開きひっそりと暮らすレオン。彼は魔導士としては三流だ。そこに1人の少年が送り込まれてくる。実はとてつもない魔力を持っている少年ゼクス。これは彼を主人公としたファンタジイ作品。戦争、差別、生まれ持った力、天・自然との共存。ゲーム世界のようで夢中になり楽しめた。 【第一回創元ファンタジイ新人賞優秀賞】受賞2025/01/31
はつばあば
50
久々の長編を読んだ気がします(#^^#)。「弓と剣」がすんなり読めたので同じファンタジーモノならと手にとりましたが、これは奥が深かった。人と言うものは自分の存在を脅かす者を排除しようとするものだ。人から蔑まれた魔導士。魔導士の持つ力が只の人には恐ろしいものとしか映らない。三流魔導士と言われるレオンが内弟子として引き取ったゼクスは、師匠のレオンの能力を遥かに凌ぐ。そのうち二人は離れる事となるが・・5年後、殺戮において「大魔導士」と揶揄されるゼクスの暴走を止めたのは、探し求めていた師匠のレオンだった。2020/05/12
くたくた
36
第一回創元ファンタジイ新人賞。最初の印象は少年漫画だった。師弟、チート能力、訓練、友情、戦闘、挫折、友情、師弟、旅立ち。だが中盤から様相が変わってくる。むき出しの差別と暴力の描写は残酷で、内戦が始まった中盤以降の主人公苦悩に息がつまる。民族差別と魔道士に対する社会構造的な差別と、憎しみ合いや恨みからどうやって逃れられるのか。どうしたら人として正しく生きる事が出来るのか。主人公も師もそれぞれに悩み、それぞれに道を見出す。大きな解決はもたらされないが、師弟の道が寄り添った事に安堵と未来を感じるラストが良い。2024/12/24
瀧ながれ
36
魔力の少なさゆえに、基礎訓練や理論面の追求を突き詰めていたレオンが、魔力は大きいが、その使い方をしらずに爆発しそうになっていた少年・ゼクスの師となる。師弟ものは好物なので、警戒してハリネズミみたいだったゼクスをレオンがなつかせる過程など、たいへんおもしろく読んだ。あるハンディを負うゼクスに、そのハンディを覆い隠すほどのスキルを与えようとするレオンと、師の手を離れて次の段階に進む決意をするゼクスの、決別が辛かったけど、彼がレオンのいない場所で、心地よい記憶としてレオンを思い出すのは、なんかいい気持ちがした。2016/08/22
ダージリン
31
魔導師の地位が最下層という珍しい設定でしたが、それによって生まれる人間ドラマが感動的で胸をうちます。そしてレオンとゼクスの師弟愛がとにかく良い~(笑)。続編もお待ちしております!2016/07/31