出版社内容情報
生まれたとき「人を真なる道に導く」と予言された白珠は、ある事件をきっかけに右目と宮城内での地位を失い、世捨て人のような生活を送っていた。だが、妹の代わりに旧都香久の御所守を買ってでたことから、運命の歯車は大きく動き始める。鬼の巣窟となった旧都に巣くっていたのは、元は人でありながら妄執に囚われ鬼と化した鬼の王だった。『星砕きの娘』から遡ること数百年、星の瞳を持つ男と鬼との闘いを描いたファンタジイ大作。
内容説明
人を真なる道に導く、と予言されて生まれてきた白珠は、ある事件をきっかけに右目と宮城内での地位を失い、世捨て人のような生活を送っていた。だが、妹の代わりに旧都香久の御所守を買ってでたことから、運命の歯車は大きく回り始める。鬼の巣窟となった旧都に巣くっていたのは…。『星砕きの娘』から遡ること数百年、星の目を持つ男と鬼との闘いを描いたファンタジイ大作!
著者等紹介
松葉屋なつみ[マツバヤナツミ]
静岡県出身。筑波大学卒。『歌う峰のアリエス』でC★NOVELS大賞を受賞し、中央公論新社C★NOVELS Fantasiaにて同書を刊行。『沙石の河原に鬼の舞う』で第4回創元ファンタジイ新人賞受賞(刊行時にタイトルを『星砕きの娘』に改題)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
34
ある事件をきっかけに右目と宮城内の地位を失い、世捨て人のような生活を送っていた白珠。妹の代わりに旧都香久の御所守を買ってでたことで運命の歯車が大きく動き始めるファンタジー。「星砕きの娘」から遡ること数百年前の時代を舞台に、生まれたときに「人を真なる道に導く」と予言された白珠のまさかの暗転。鬼の巣窟・旧都に巣くっていた、元は人でありながら妄執に囚われ鬼と化した鬼の王。まさに激動の展開の末に新たな時代の夜明けを迎える展開になりましたけど、悩める白珠に寄り添続けた紋人の下女つばめの存在がなかなか効いていました。2021/11/16
すがはら
16
神仏の心は慈悲深くもあり残酷でもあるようです。信心深いとか心根が良いとかに関係なく、救いを求めるから救う。つまり誰かを選んでいるわけではなく、この主人公も自身のことすら優先しない。博愛主義をうたう女たらしを白眼視してたけど、実は御仏の心の持ち主もいるのでしょうか。特別扱いや愛への見返りを求める方が間違っているのかも。前作の星砕きの娘もそうだったけど、身構えていない時だからこそ仏教的な思想がするっと府に落ちちゃうんですよね。公正とか条理とか些末な事だよねー。今はこれで心が慰められました。2021/11/05
starly
12
前作【星砕きの娘】から数百年前の鬼との闘いを描いたファンタジイ大作。 前作とは繋がりはあまり感じなかったので前作から読まなくても違和感なく読めます。 前作とはまた雰囲気も異なり鬼とは闘うものの激しめの戦闘はあまり無く惨たらしい描写はないです。静かなイメージのキャラクターばかりで落ち着いていました。前作の方はかなりの暴れっぷりで戦闘シーン多めを 読みたい方は前作【星砕きの娘】をおすすめします。 続きありそうな終わり方ですが、出るならば続きを読みたい。今後が気になります…。 2024/06/10
灰音
7
前作の過去編。 繋がりがあるよーな、ないよーな? 伏線そこまで張り巡らされてなかったけど、これはこれで楽しめた つばめちゃんのその後気になる2023/05/08
YH
6
前作と世界観は一緒だが、それぞれ独立した話なので、読んでなくとも十分に楽しめる。白珠が掴みどころがなく、相楽は逆に女々しく、白珠への執着がストーカーじみていたが、ラストは良い形だったと思う。2023/10/07