内容説明
シャワーカーテンの隙間からのぞく仮面のような顔。ぎらつく二つの目。メアリは悲鳴をあげはじめた。が、その声は切り裂かれた…肉切り包丁の一閃で!雨の夜、片田舎のさびれたモーテルでなにが起きたのか?大金を拐帯し失踪した婚約者を探すサムが見いだした、恐るべき真実とは?ヒッチコックの映画であまりにも有名なサイコスリラーの原点、今ここに復活!新訳決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
30
「サイコ」と言えばアルフレッド・ヒッチコック監督のシャワーを浴びていた女性が影に包丁で刺される場面(音楽も)が思い出されます。1990年代のミステリー界で猫も杓子も使われた元ネタともなった映画で有名な作品。登場人物のぶつ切りになる心情や時代に取り残されたかのごときモーテルの描写が不気味さをより、募らせています。訳では一部、二部、三部と分けてあれば良かったかもしれません。個人的には殺人の場面ではなく、最後の章で見いだせるある考えに気づいた時がものすごく、怖かったですT-T映画も見てみようかな・・・・。2011/10/25
空猫
25
あのシャワーシーンはよくパロディされるほど有名だけれど、この映画にも原作があったのだった。どちらを先にしてもネタバレになってしまうのか。なので斜め読み。ノーマンは映画はひょろっとしたアンソニー・パーキンスだったけれど、原作では太っている設定だったのか。詳細な描写で色々府に落ちて良かった。2018/08/07
Yu。
23
知りたかったノーマンの心の闇が細かに描かれていたのでそれだけでも満足の一冊なのだがやはり知れば知るほど謎を秘めたベイツ母子の更なる過去に興味が湧いてしまい最終的には原作の枠を飛び越え『エピソード オブ ベイツ』なるストーリーを勝手に想像してしまったとさ(*´ー`*) ‥そうそう そんな彼ですが、原作では細身で病的なアンソニー・パーキンス(映画版のノーマン役)とは似ても似つかない真逆の容姿(こっちの彼もいいんだわ)に驚いたのなんのって。。2017/04/27
ジョニジョニ
21
映画はベッドシーンからだったけど、原作は太った中年男が、結婚もせずに変な本ばかり読んでいる、と母親にいわれ、ケンカをする場面ではじまります。映画では神経質そうな、細身の若者で、だからこそ映像美があるんだけど、名画も優れた原作ありき。「人間なんてみんな、ときどきは少しおかしくなっちまうものじゃないか!」と言われて、大金を盗んできた女がハッと改心する描写があるから、最後まで彼女に同情を寄せて読みきれます。こんなに面白かったのかー、と映画を再度観たら、さらに面白かったです。2021/12/09
さといも
16
再読。何度読んでも怖いです。映画も良かったのよね。 母親がどんな風にベイツを育ててきたのかをもっと知りたいなぁ。2017/05/23