出版社内容情報
どうすればわたしの心が伝わるだろう?
鍵の騎士団は人外と戦う城塞都市の救援に……。
信頼する護衛官への恋心、女公爵への敬愛の念、
様々な感情に惑いつつ、アルスルは運命を切り拓く
変わり者の騎士アルスルの恋と戦い、成長の物語
人間を滅ぼすほど危険な人外(じんがい)、六災(ろくさい)の王討伐をかかげる鍵の騎士団を率いるアルスルは、新皇帝の要請を受けて六災の王の一体である隕星王(いんせいおう)の眷属(けんぞく)、ワシ人外と戦う城郭都市アンゲロスの救援にむかう。一方、アルスルの護衛官となったルカは、アルスルへの恋心を抱きつつも身分のちがいから想いを告げられずにいた。変わり者の少女の成長を描く、好評『皇女アルスルと角の王』続編。解説=乾石智子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Chikara Tonaki
25
「皇女アルスルと角の王」の続編。英雄となったアルスルの恋と、2番目の人外王との遭遇を描く。今作も楽しませてもらいました。残虐な表現等あるのに、「忘却城シリーズ」に比べるとずいぶん爽やかに感じるから不思議です。しばらくはこの第五合衆大陸の話を書くのかな。2023/11/03
ネロ
21
「あんたが好きだよ」この軽いようでどこか切ないルカのセリフがずっと胸に残っています。何度も繰り返される軽口のような告白が、ラストでプロポーズになるとは…!ルカについてはアルスルのほろ苦い初恋の記憶としていつ葬られるのかとヒヤヒヤしていましたが、よかった…。今巻はさらにモフモフ度が増したようで血生臭い戦場もほっこり和みました。アガーテのマイペースさやアビィの生意気さ、コヒバの無邪気さ、プチリサのギャップにクラクラ。アルスルもさらに魅力的になって、どのキャラクターも素晴らしいです!今後も楽しみ過ぎるシリーズ!2023/12/29
すがはら
20
英雄になっても軽んじられるアルスルと嫌味な皇子のやり取りにキーってなりました。アルスルの自信無さ気なところが危うく見えたけど、大事な部分では踏み止まってくれるのが獣のカンなのか。ルカがアルスルの言葉を振り切って決断した場面は間違ったのかと思ってヒヤリとしましたが、もっと上へ行こうと望んで不幸にならずに済むお話で良かった。気持ちがまっすぐになれそうな読後感。今回は弾倉のアガーテの挿絵にやられました。なでまわしたい。降ってくるネコたちの絵も良い。初登場のオオワシ人外も格好いいと思う。人外最高。2023/12/25
本の蟲
13
人より優れた獣たち。人外が跋扈する世界でのファンタジー2作目。六災の王と呼ばれる人外王の一体を滅ぼしたアルスルは、「レディ・がっかり」から一躍英雄として名をあげるが…。あんまりロマンス方面に傾いてくれるな、と前作感想で書いたが、今作はアルスルの腹心ルカと思いっきりロマンス。まあ剣と魔法のファンタジーなのに、重力とか惑星とか科学用語が普通に登場し、色々謎とSF要素が秘められた世界観は好みなので、ある程度続巻溜まってきたらまた読み進める予定2025/05/12
BECHA☆
8
鍵の騎士団を率いることになったアルスルは城郭都市アンゲロスに派遣される。アンゲロスはワシ人外に襲われており、御年七十の公爵ヴィクトリアはシクリッド社と共に気球で構成された市街を防衛していた。人外の王との激しい戦いの先に待っているものは何なのか。今回は猫が沢山。2024/01/04