出版社内容情報
特別な才能もなく人づきあいも苦手な皇帝の末娘アルスルは、いつも皆にがっかりされていた。ある日舞踏会に出席していた彼女の目前で、父が暗殺された。アルスルは皇帝殺しの容疑で捕まり、無実の訴えも空しく帝都の裁判で死刑を宣告される。一族の所領である城郭都市に護送されたアルスルを待っていたのは、鍵の城の城主リサシーブ……。
優れた能力をもつ獣、人外が跋扈する世界を舞台に、変わり者の少女の活躍を描くファンタジイ。
内容説明
才能もなく人づきあいも苦手な皇帝の末娘アルスルは、いつも皆にがっかりされていた。ある日舞踏会に出席していたアルスルの目前で父が暗殺され、彼女は皇帝殺しの容疑で捕まってしまう。帝都の裁判で死刑を宣告され一族の所領に護送された彼女は美しき人外の城主リサシーブと出会う。優れた能力をもつ獣、人外が跋扈する世界を舞台に、変わり者の少女の成長を描くファンタジイ。
著者等紹介
鈴森琴[スズモリコト]
東京都生まれ。玉川大学文学部卒。第3回創元ファンタジイ新人賞佳作入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
79
忘却城シリーズと同じ世界の物語ですが、舞台となる大陸が違うのでだいぶ雰囲気も異なります。こちらの方がからりとしていてシビアな状況でも明るく感じます。主人公のアルスルは何故両親に好かれなかったのか謎なくらい可愛らしい素直な少女。脇を固める登場人物達も個性派揃いで会話が楽しいです。馬や豹、犬、猫など様々な人外が時に恐ろしく、時に愛らしく活躍するのも面白い。まだまだこの世界の物語を読んでみたいです。2022/07/31
すがはら
40
忘却城と同じ世界観。北砂の女は格好良い。題名から言って角の王とアルスルの対比が主題なんだろうけど、表紙は白豹とアルスル。精神が人外に近いと判定されたアルスルは読者にとって好印象に描かれたのに、人の記憶を取り込んで思考が人に近くなった人外の王は獣として許されざる存在となってしまうとは。楽しむために狩りをしたり珍味を味わいたくて一部分だけ食べて捨てるのが「おぞましい」のは誰が何に対してやった場合でも等しいはずなんでしょうに。人間の身勝手さを知る一冊でした。2022/07/09
りー
33
文章に生理的なものを刺激されるので、ぬるっとした粘膜のような「愛」がちょっと気持ち悪かったのは置いておいて。アルスルは、冲方丁のマルドゥック・シリーズ主人公バロットにすごく似ている。あぁもう少し続きが読みたい、アルスルの勇姿を見ていたい、と思ってしまった。続編、出ないかしら。解放された白豹のリサシーブも気になるし、ルカの「6年後」の予言も知りたい!そして、うぅぅ犬でも猫でも良いから、今すぐモフモフしたいのよー😭という人間の本能がメラメラと!2023/02/05
canacona
31
netgalleryにて。人外と人間、世界観が良かった。父皇帝殺しの罪で捕まったちょっと変わり者の末娘アルスル。予知能力を持つ人外リサシーブと出会い、人外の王の一匹を倒すことになる。今まで理解者のいなかったアルスルの成長や、リサや仲間との交流もあって、ストーリーも難しくなく、子どもが読んでもいいんじゃないかと思ったのに、途中でちょっと生々しい描写もあったりしてどっちつかず感が残ったなぁ。世界観がいいので、別の物語があるなら読んでみたいな〜。2022/05/30
ネロ
30
ずっと気になっていたこちら、やっと読めました!良い世界感ですね。もふもふ好きにはたまらないです。文体も柔らかく、入っていきやすい世界なのですが、まず人外というワードがちょっと気になりました。人ではないもの…ということなんでしょうが、なんだか雑な感じで。人間は人外を使役し共存しているけど、六災の人外王は人を狩るし危険だから駆除しなければいけない。この駆除という言い方もなんだかな。人間と人外の間にある確執をもう少し丁寧に書いてほしかったです。でも面白かったので次の巻も読みます!2023/11/28