出版社内容情報
死者を蘇らせる術で発展した亀珈王国。儒艮が塾を開くために買ったのは札付きの幽霊屋敷、引っ越し初日から怪奇現象が多発していた。そんな折、瀕死の炎龍が飛来し。王都を大混乱に陥れる。亀珈王国にとって炎龍は至高の存在。そこで急遽、龍語を解する界人の儒艮が通訳に指名される。彼は大切な家族となった金魚小僧のため、ある目的を胸に役目を引き受ける……。独特の世界が読む人を引きつけて放さない〈忘却城シリーズ〉第三巻。
内容説明
死者を蘇らせる術で発展した亀珈王国。儒艮が塾 を開くために買ったのは札付きの幽霊屋敷で、引っ越し早々怪奇現象が起きていた。そんな折、瀕死の炎龍が飛来し、王都は大混乱に。王国にとって炎龍は至高の存在。急邀、龍語を解する界人の儒艮が通訳に指名される。彼は大切な家族となった金魚小僧のため、ある目的を胸に、引き受けるが…。“忘却城”シリーズ第三巻。
著者等紹介
鈴森琴[スズモリコト]
東京都出身。玉川大学文学部卒業。2018年の第3回創元ファンタジイ新人賞に佳作入選した『忘却城の界人』を、2019年『忘却城』と改題してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よっち
35
死者を蘇らせる術で発展した亀珈王国。儒艮が塾を開くために買ったのは怪奇現象が多発する幽霊屋敷。そんな折、瀕死の炎龍が飛来し、王都を大混乱に陥れる第三弾。瀕死の炎龍の通訳に堺人の儒艮が指名され、大切な家族である金魚小僧のために引き受けたことで動き始めた彼と金魚小僧の時間。複雑な想いに揺れる儒艮や金魚小僧の家族の事情も明らかになっていって、若干説明が冗長な感がありましたけど、そんな中で苦悩しながら成長する金魚小僧や、何とも複雑な二人の関係はなかなか良かったですね。自分の目指すべき道を見出した彼らの今後に期待。2020/06/22
りー
27
儒昆と金魚小僧の物語。死人と生者の間に生まれる「界人」は差別の対象であり、法律上の権利も制限される。主人公である彼ら2人が、それをものともせず、自分の道を見つけていく姿が眩しい。幽霊屋敷の私塾で学ぶ子どもたちのエナジーが、複雑な前生と今生との関係をさえも吹き飛ばし、儒昆と金魚小僧を変えていった。それは彼らを通して、国の根幹を揺るがそうとしていた病魔を断ち切ることに繋がった。実に爽快。モフモフに餓えていたら、モフの帝王=子パンダが登場。小僧の愛の告白にも笑った。大団円と言って良いのではなかろうか。2023/02/25
火烏
15
わわわ。転げまわったわ、面白かった。なんちゅう家を買うんだ~ってのから始まって愛の告白で終わるのか。画面がくっきりしてきたから、どうとでも広げられそうだけど、ここで終わっても……でも読みたいな2020/06/08
アカツキ
14
忘却城3作目。儒艮は塾を開くために格安で売られていた有名幽霊屋敷を購入、連日生徒たちの悲鳴が上がる。そんな時、王都に傷ついた炎龍が飛来。儒艮は龍の通訳に任命されてしまう。一方、亡き第二王子を想う王妃は王家の仇敵・千形族の王の腕に招き寄せられて…。金魚小僧の成長回。儒艮は以後脇キャラになるのかなという感じ、お気に入りなので少し寂しい。しかし、設定がモリモリ積まれていくので一気読みしないと厳しいシリーズになってきた。次巻発売したら読む前に復習必須だな。2024/05/24
ハッピーハートの樹
14
前巻は登場しなくて寂しい思いをしました。でも読んでるうちに今度は曇龍が恋しくなって…。/死者と生者と堺人の違うところが少しづつ理解できてきました。なんだかんだ言っても人が暮らす世界かと思っていたんですが、突然の炎龍(竜!)が乱入し、神の世界の話なのかと。忘却城は全く分からないし、チラホラ登場するお魚さんも何者なのか。まだまだ全容は掴めません。/オバケなんて怖がる心が見せるものだけど、まさかのパンダ!毛玉!儒艮もモフモフ好きそうでほのぼのー。いやっ、オバケもおるし!呪われてるし!アットホームじゃないってば!2022/10/05