感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本木英朗
12
『小鼠 ニューヨークを侵略』から二年後。グランド・フェンウィック大公国の首相マウントジョーイ伯爵は国内の近代化を画し、観光事業用の高速道路整備と城内の配管工事を執行する予算案を議会に提出しますが、野党の反対にあいあえなく挫折します。しかし諦め切れない伯爵、次に打った手は、「米ソ、二超大国に続いて宇宙開発に加わる」ことを目的として合衆国に505万ドルの無償資金援助を申し出ることでした(うち、5万ドルはグロリアナ女王の毛皮のコート代)。(→)
S.Mori
11
ヨーロッパの小国グランド・フェンウィックが大国をおちょくります。ソ連があった頃の話ですが、今でも十分面白いです。このシリーズが面白いのは、小国が大国をこてんぱんにやっつけるからです。現実では大国に振り回されるので、せめて小説の中でも溜飲を下げたいです。この物語ではフェンウィックの面々が月まで行ってしまいます。当時月到達を競い合っていた米国とソ連がからかわれます。月ロケットの燃料になるものが奇想天外で、大笑いました。結末はハッピーエンドで後味が良かったです。適度なロマンスも盛り込まれた楽しめる小説です。2020/05/28
本木英朗
10
〈小鼠〉シリーズ第2作目である。作者はもちろん、L・ウイバーリーだ。北アルプス山中の小国グランド・フェンウィック大公国――この国の近代化を画す首相マウントジョーイ伯爵は、観光事業用の道路整備と城内の配管工事を施工するため、アメリカに援助借款を申し入れようともくろんだ。だが反対党の攻勢にあって思うようにいかない。そこで首相の考えついた口実は……月世界有人飛行という大それた計画だった!という話である。2回目であるが、さっぱり分からなかったため、本当に満足の一言しか出ないよね、ウフフ!!(→)2025/09/10
tai65
2
星4つ2021/12/29
蝉の一生
1
古本屋で見つけました。前作の「小鼠ニューヨークを侵略」を読んだことがあったので思わず買いました。架空の欧州の小国が、(相当情けない理由で)アメリカに借款を申込んだことから、行きがかり上、月への飛行を計画し、なんと月面一番乗りを果たします。米ソの宇宙進出競争や冷戦構造にアイロニーを効かせつつも穏やかで楽しい作品です。「ザ マウス オン ザ ムーン」というタイトルで映画化もされたようです。2022/02/20