創元推理文庫
暗黒神ダゴン

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  • サイズ 文庫判/ページ数 249p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488523121
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

クトゥルー?ヨグ・ソトト?意味不明の言葉が連なる古い手紙。屋根裏部屋に鎖で固定された一対の手錠。片田舎の屋敷を相続した牧師リーランドが見たものは、父の死と関係があるのか?繰り返す悪夢。妻への殺意。やがて彼は、魚類を思わせる異様な容貌の娘ミナに、なぜか心魅かれていく。それが魔界への第一歩とも知らずに…。異端の詩人がラヴクラフトに捧げる恐怖の物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

geshi

21
クトゥルフ神話を元にしているのに、いわゆるクトゥルフ神話的なコズミック・ホラー感は無い。描かれているのは狂気と正気の間でたゆたう力無き人間の精神。主人公が聖職者として人間として纏っていたものが剥ぎ取られていき、行き先さえ知れぬ道行の中で壊れていく変化の様を読む小説。訳者あとがきの物語解明が深く、〈レビアタン〉としての神話的・心理学的解釈は実に興味深い。ただ、ラストは単に超宇宙世界に行っちゃったのだと思うけれど。2015/10/17

マーブル

16
不気味な湿度と理由なき汚臭を感じさせる気配の中、ストーリーは淡々と進む。唐突に終わりを告げた日常。そして説明も与えられず落ち込む地獄のような暗闇・・・。なんだ、こいつは?。「この小説がなんのか、あなたにはわかりますか?」そんな挑戦状を突きつけた作品、と解説で述べている。確かに多くのことが理解できぬまま気味の悪い描写の印象だけが残る読書となった気もした。クトゥルフ神話との関連をどこに見ればいいのか不明なまま読み進んだ。しかし一見遠回りのような解説を読み、その深き暗い闇の底をもう一度潜り込んでみたくなった。2021/08/29

ブー

3
衝動買いの一冊。タイトルから直ぐに「クトゥルー神話」系を連想し、買ったが・・・邪神系ではなく、どちらかっていうと、人間の内なる狂気と狂喜と正気とが入り乱れ、一人の人間の心が壊れそして、暗黒神を見る【感じる】ことによって、無限の境地へと導かれて行く。おそらく「クトゥルー神話」を知らなくても面白い。知っていればもっと面白く読める作品。おそらく主人公は肉体をなくし、魂だけの存在となりアカシック・レコードを垣間見たのであろう・・・2010/09/22

不以

2
わりと官能的だったような気がしなくもない2012/05/05

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2
**注)ネタバレ・クトゥルー基本知識が必要**クトゥルーネタの小説読解の為読了。巻末でクトゥルー神話は聖書におけるレヴィアタン神話の変形であると論じられています。ファイナルファンタジーでお馴染みの召喚獣"リヴァイアサン"です。神が天地創造の5日目に造りだした存在で"最強"の称号を冠している。それを上手くホラーと融合させ邪神を生み出している。しかし、それだけではなく、人間の内なる狂気と正気とが入り乱れ、壊れてゆく最中、暗黒神を垣間見る表現は非常にユング的で面白い。クトゥルー小説を読解したい方にお勧めの良書。2012/03/18

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