内容説明
ロイズは人には見えないものを視る目をもつ、風変わりな少女。ある日彼女は森の泉のほとりで、ひとりの若者が光の中から歩み出てくるのを見た。若者の名はコルベット、呪われていると噂され、廃墟になっているリン屋敷の跡取りだという。ロイズは魅了されたかのように呪いの正体を探るが…。幻想の紡ぎ手マキリップが民間伝承をもとに織り上げた、こよなく美しいファンタジー。
著者等紹介
原島文世[ハラシマフミヨ]
群馬県生まれ。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いおむ
10
久々にマキリップを堪能(^^)とっつきにくい文章だがそこに慣れてしまえば、幻想と現実が絡み合った物語の美しさと怖さにとっぷりとひたれた。英文が読めない身では、翻訳者のセンスに頼るしかないが、これはこれで十分楽しめました2016/01/31
らくだ
9
面白かった!描写が丁寧で話がゆっくりと進むため、入り込むのに苦労したけど、一旦入り込むとかなりハマった。昔のヨーロッパの農村を舞台にした妖精譚。コルベット・リンという若者が不思議な現れ方をして、村の娘ロイズや村中の人間を惹きつけ、巻き込むという内容。雰囲気があってとてもよかった。ファンタジーはいい。2014/06/02
がる
9
「九年目の魔法」から流れてきました。幻想的で「北風のうしろの国」と雰囲気が似てるかなぁ~とか、絵本の「タム・リン」でも活躍してるのはお姫様の方だっけ~とか思いながらサクサク読めました。 2012/09/20
にゃんころ
8
民間伝承をもとにしたお話だそうだが、幻想的すぎて入り込めず。。ぽつんと取り残されたまま読了。様々な色合いの愛について説いているのか?それとも欲か?しかしその先にある希望は美しいと思った。ラストシーンは好きです。2018/10/06
新地学@児童書病発動中
8
夢の世界にとらわれた男に恋をした姉を救うために、野性的な少女が死力を尽くすファンタジー。タイトルの「冬の薔薇」は、その少女の無垢な心を表現しているのかもしれない。シンボルと色彩にあふれた美しいファンタジー。2011/10/09