創元推理文庫
驚異の発明家(エンジヂニア)の形見函〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 363p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488519032
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

才覚を見込んだ伯爵のもと、好事家向けの細密画制作に励む少年クロード。時計仕掛けに魅了され、恩師の裏切り行為を目撃した彼は故郷を出奔、パリでポルノグラフィーを扱う書籍商の徒弟として働く。発明家の人生は運命の波涛に呑まれ、わたしの手元には「形見函」が遺された。細部の描写を積み重ね、啓蒙と哄笑の交錯する時代を見事に再現。「発明」と「物語」をめぐる傑作絵巻。

著者等紹介

大島豊[オオシマユタカ]
1955年生まれ。上智大学外国語学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けいちゃっぷ

9
後半も派手さはないし、歴史にも疎いのですが面白く読みました。 まるで、もう一つの「あり得たかも知れない」世界を垣間見ているようで。 自動人形に興味を持った少年の成長物語であるし、18世紀末のフランスの有様も描かれる。 やはりパリが一番興味深かったですね。 363ページ 2015/08/16

dilettante_k

3
承上)ストーリーは単線的で手堅いが、本懐は、物語ならぬ「モノ語り」にある。形見函に納められたオブジェに則して展開するエピソードは、その大部分を執拗とも言える描写が占め、モノへの情熱が技術と発明の下支えであることを明らかにする。また、主軸である新旧時代の師弟の交感は、無秩序がもたらす「驚異」の愉悦から啓蒙思想の統合された知への移行に通底するパトスの所在を浮き彫りにする。産業革命の「功利」が持ち込まれる以前の、機械が未だ自然の延長にあった時代。形見函が繰り出すモノ語りに、語り手ならずとも憑りつかれてしまう。2014/08/01

河合部長

2
とにかく読んでいて楽しかった。わかっちゃいるけど心躍ってしまう感じというか。2011/04/19

rinakko

1
再読。2013/05/09

田楽

1
「形見函」に収められた品々から浮かぶある発明家の人生を描いた物語。読んでいて18世紀のフランスの雰囲気が味わえました。ただ「形見函」をもっと生かした謎解き要素があるのかなーと思って読み始めたので、ちょっと肩すかしな印象を受けてしましました。何も考えずに読んだ方が楽しめたかも。2012/05/02

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