感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
105
ひょんなことから、人工的に作られた島で太平洋を旅することになった音楽家たちの物語。前半はヴェルヌの物語特有のわくわくする冒険の雰囲気が漂っていて、非常に楽しい。人工の島の科学的なディテールもしっかり考えられており、このあたりはSFの父としての面目躍如と言ったところ。後半はこの人工的なユートピアと言える島に暗雲が立ち込めて、ほろ苦い結末を迎える。物語の結末は、大人になった冒険好きの少年の、現実の世界に対する幻滅を表しているのかもしれない。2014/02/07
伝奇羊
8
1978年初版復刊フェアで2005年に復刊。洋上に浮かぶ人工島に造られた都市という19世紀に書かれたとは思えないスケールの大きな物語。2024/11/04
塩崎ツトム
3
本書の初版発行は1895年。タイタニック号沈没は1912年。ヴェルヌが亡くなったのが1905年だけど、仮に彼が沈没事故の起きた時代にまで生きていたら、きっと話を大きく書き換えていただろう。2013/06/07
ats
3
若干ネタバレですが、第一部の華やかさに対して後半の破壊のスピーディーさがむしろ晴々と感じてしまうほど。でも破壊の悲惨さは「神秘の島」ほどではないですがね。おおよそ百年ちょっと前に書かれたこの本において、現代とあまり変わらない生活環境が人工島で描かれてるのが興味深いところ。2010/07/21
三丁目の書生
2
巨大な人工島がスクリューで動いて太平洋上を航海するんですよ! このスタンダード島は色々な施設や人工の自然が詰め込まれていてなかなか面白い創造物です。 詳しい地図を見たいですね。 CGで作成してグーグルアースみたいに見られないでしょうか。 紹介文で書かれているように、この物語はヴェルヌの生涯に渡るテーマが集約された傑作です。 https://sfklubo.net/screw-island/ http://sfkid.seesaa.net/article/474386659.html2020/04/04