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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
158
物語も題名を読むだけで解る説明不要の本書。実にシンプルかつ面白さ満点の物語はまさに疾走感に溢れている。拙速な旅ゆえ、それぞれ来訪の地の描写やエピソードが浅く感じるが最後の最後までサプライズありとヴェルヌのサーヴィス精神に溢れた作品。そして最後の一行は当時まだ旅行が一般的でなかった時代にヴェルヌが、旅行が将来人々の娯楽になることを予見していたことを示している。フォッグ卿は賞金を得るために旅に出たのではなく、思い出という無形財産を得るために旅に出たのだ。それは現代も同じ。そんな今を実によく云い当てている。2018/01/21
ケイ
127
ヴェルヌ三作目、その中で最も楽しんで読んだ。世界各地を飛行機を使わないで旅行したら、今は何日かかるのだろう。こんな昔にヴェルヌは良く地理やその国の特徴を調べて書いたものだと思う。そして、トリックに必要な事項にも! 主人公のフォッグスの、不可解なようで紛れもない紳士ぶり、フォックスのジャベールのごとき執拗さ、そしてパスパルトゥの献身さが、ヴェルヌが読者のために生み出した読書熱を煽るキーとなっている。痛快な旅行小説。2015/07/02
ハタ
68
ジュール・ヴェルヌの書く冒険小説にはいつも心ワクワクさせられる。本作「八十日間世界一周」もまた個性的な登場人物達が困難に挑む姿勢が頁をめくる速度を落とさせなかった。多分自分がヴェルヌの生きる時代の少年であったならば、彼の小説が出るのを楽しみに毎日を過ごしていたのではないかと思える。久々に楽しい時間を貰う事が出来ました。2015/12/04
Mumiu
65
1872年刊。このタイトルに魅せられた人は幾人にのぼっただろう⁈カント並みに毎日ルーティンな生活を送るフィリアス・フォッグがプライドのために賭けをして、その結果冒険活劇の主人公になる。まあ、旅行前半をみると当初のフォッグさんだけど、だんだんアツいジェントルマンになっていく。下男のパスパルトゥーも魅力的。気持ちのいい男です♪同じようにぜひ一周してみたいものですが、アレとアレはちょっとわたしには無理すぎかなあ。2015/02/09
ユメ
58
『テーブルの上のファーブル』『針がとぶ』を読んだら自然と手が伸びた。主人であるフィリアス・フォッグが挑む八十日間での世界一周に付き従うパスパルトゥー。この物語の主役は彼なんじゃなかろうか。フィリアス・フォッグはどこまでも機械的で、パスパルトゥーがいるから、次に何が起こるかハラハラしていられる。この二人の主従関係がよい。「世界一周をはたしたが、幸福以外に何も得なかった」という最終章が好きだ。なんという甘美な響き!こんな愉快な旅行記を堪能させてもらえるのだから、「風変わりもまたよきかなと認めざるをえない!」2015/01/13
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