創元推理文庫<br> 第二の顔

創元推理文庫
第二の顔

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  • サイズ 文庫判
  • 商品コード 9784488516017

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

S.Mori

12
突然顔が変わってしまった男の悲喜劇を描くフランスの小説です。読み出したらやめられない面白さでした。平凡な中年の男が急にハンサムになるのはリアリティを欠いていますが、それを感じさせないプロットの妙です。顔が変わった後に自分の妻と恋仲になるのが笑えます。突然イケメンの男性に言い寄られた妻は舞い上がってしまい、平凡な家庭生活を送る女性とは思えないほど情熱的になってしまいます。結末のほろ苦さが絶品。楽しく読めるエンターテイメントに仕上がっているのですが、人間のアイデンティティーを問う哲学的な面もありました。2019/10/05

来古

2
1941年当時の作品としては妥当な内容。もし現在の作家がこのテーマで執筆したら同じ結末でも、もっと色っぽい小説になるか、ドタバタ感の強い小説になるだろうな。2016/09/10

tommy

2
エイメの長編。ある日突然ハンサムな顔になった中年男性を取り巻く物語。 ハンサムになり女にちやほやされ、道行く人に振り返られる主人公。 でも妻には気付かれず、友人にもないがしろにされ、妻の口からは自分への不満が語られる。これって一体ホントに幸せなの?2009/05/18

uburoi

1
マルセル・エイメの人を食ったような長編作品。これをファンタジーというべきか困る。主人公は当たり前のように顔が別人にすり替わってしまうのだ。変貌の過程などなく役所に行って突然発覚する。しかも映画スターのような二枚目の顔だ。すると透明人間みたいないたずらが可能となる。気が小さい主人公がやるのはささやかなもので、女房との浮気くらいのものであるが。2023/04/02

ANDRE

1
ある日突然イケメンになってしまった男を描く物語。変わってしまったのは顔だけでそれ以外は元のままなのに、主人公は周囲の人々から自分であると信じてもらえず、アイデンティティが揺らいでいく。化粧や仮面などをすると人格も変わるというようなことも聞いたことがあるけれど、顔というのがその人物のアイデンティティに占める割合は極めて大きい。「ハンサムスーツ」なんていう映画もあったけれど、この作品ではイケメンになっても彼の生活が華やかになるのではなく、ユーモアにあふれながらも全体のトーンはあまり明るくないというのも面白い。2011/11/25

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