内容説明
人狼伝説の権威モンドリック博士はゴビ砂漠で何を発見したか?だが帰国会見の席上、新聞記者ウィルの目の前で、彼は怪死を遂げる。居合わせた赤毛の美女エープリルの不審な行動。疑惑を抱きながらも彼女に心惹かれてゆくウィル。やがて彼は、救い主“夜の子”の降臨を待ち望む人狼族の存在を知る…。カルト教団の聖典にもなった幻想文学史上最も危険な傑作。
著者等紹介
野村芳夫[ノムラヨシオ]
1948年東京都生まれ。日本大学文理学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mejiro
11
はるか昔から続く人間と魔女の戦い、とあって壮大な物語を期待したが、スケールが小競り合いレベル。どちらも間が抜けてて緊張感がなく、内容も文章もワンパターンで飽きる。人間側は有利な点を活かせず、殺されるのを待ってるみたい。魔女は思いつきで行動しては失敗し、主人公がいなければとっくに自滅してそう。この魔女、おバカなのに偉そうで意地悪って…悪い意味で存在感がある。いちばんダメなのは主人公かな…。魔女の正体などアイデアはおもしろいだけにもどかしい…今読むと書き方が賞味期限切れ。 2019/08/22
hydrangea
11
この現代に読んだからかもしれませんが、突っ込みどころ満載で、そこが愉しむところなのかもしれません。主人公にはまるで共感が湧きませんでしたがwただ、筋書き自体は面白いものですので、一読しても損は無いのでは?これを聖典にしてしまうカルト教団って、どれだけのものなんでしょうか?2017/11/05
miroku
8
1948年という年代を考えれば、実に先鋭的な作品。展開はオーソドックスだか、読ませる力がある。2011/08/15
スターライト
6
同じ人狼伝説を使っているが、平井和正の〈ウルフガイ〉シリーズとは趣きが異なる。〈ウルフガイ〉の主人公、犬神明は少なくともシリーズ前半では、己の目的を遂行するために進んで狼へと変貌するが、本書の主人公ウィル・バービーは「人狼」である現実をなかなか受け入れることができないで苦悩する。彼の戸惑いを知りながらも一族のためにウィルを仲間に引き入れていくエープリルは、まさにウィルにとっては天使でもあり魔女でもあるのだろう。人狼伝説に遺伝子の要素を取り入れたことが先行する似た傾向の作品とは一線を画する。2014/05/12
じぇろポーta
2
この手のジャンルの先駆的古典作品。風間賢二のホラー小説ガイドで知って以来ずっと読みたいと思っていた。運命の女たるヒロインに全く何の魅力も感じられなかったのでメロメロになる主人公の姿にノれずタルかったが、オチのアレ含めて設定は楽しい。2017/07/01
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