出版社内容情報
「犯人だって、好きで犯罪に走ろうとしているわけではありません。必ず迷いがあります。その段階でうちに来てもらえれば、犯罪の発生を未然に防ぐことができます」――そのNPO法人には、罪を犯すか悩む人が相談にやってくる。相談員はそんな犯罪者予備軍たる人々から聞き出した犯行計画の穴を次々と指摘していく。不備を突かれた者たちの殺意は、果たして本懐を遂げるのか。犯罪発生を未然に防ぐ!? 新しい形の倒叙ミステリ短編集!
【目次】
内容説明
そのNPO法人には、罪を犯すか悩む人が相談にやってくる。相談員はそんな犯罪者予備軍たる人々から聞き出した犯行計画の穴を次々と指摘していく。相棒の剽窃に怒るミュージシャン、夫の罪が露見することを恐れる妻、想い人の死に復讐を決意した大学生…。不備を突かれた者たちの殺意は、果たして本懐を遂げるのか。犯罪発生を未然に防ぐ!?新しい形の倒叙ミステリ短編集!
著者等紹介
石持浅海[イシモチアサミ]
1966年愛媛県生まれ。九州大学卒。2002年、カッパ・ノベルスの新人発掘プロジェクト〈KAPPA‐ONE〉第一期生として、『アイルランドの薔薇』でデビュー。特殊な状況設定下での端正な謎解きに定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Shun
26
倒叙ミステリにはこんな形もある。ある人物を亡き者にしたいと願う殺人者予備軍たちが訪れたこの場所は、とあるNPO法人もとい悩み相談所。優秀な相談員が未来の殺人犯に対し懇切丁寧に犯行計画の穴を指摘し、しまいには相談者はリスクと実現の困難さを悟る。起きたかもしれない殺人事件を未然に解決するという倒叙ミステリ短編集となっています。本書は文芸誌「紙魚の手帖」に掲載されたものが文庫にまとめられたという形式上、各話冒頭や話の形式が似通っているが、それぞれブラックユーモアのあるオチがつきエンタメよりの作品として楽しめた。2026/06/25
キナコ
24
初作者。短編の倒叙ミステリー。犯罪を考えている人々がカウンセラーに相談できるNPO法人。犯罪計画の穴を淡々と述べていく相談員がかっこいい。憎い相手を殺したいが捕まりたくないのも本心。様々な相談者が自分の心の内を相談していく。完璧そうに見えても、現在の警察ならそういう手順で捜査して犯人に行き着くよねーって思える話が多い。だいたい50ページくらいの短編のため初めてのミステリーでも読みやすいかな。2026/07/22
よるのもち
19
人を殺したいと悩む人が訪れる駆け込み寺的なNPO法人を描いた連作短編。計画の穴を指摘していくという流れがエンタメ的に純粋に面白いです。新感覚な倒叙ミステリで各話のオチの付け方もバリエーション豊富で良かった。『ねじれの位置の殺人』が個人的ベスト。2026/08/14
remedy
17
倒叙形式のミステリ集ではあるのだが、各主人公が事件前に罪を犯すか否かをNPO法人に相談するところから始まる形が新しい。 基本的に相談員は相談者の犯罪計画の穴を論理的に指摘し犯罪の決行を踏みとどませるスタンスをとるが、裏に潜むは善意か悪意かがよく判らないところが心憎く、そこが面白い。 倒叙ミステリって、犯罪者のミスから真相を暴かれる点に論理的な面白さはあるが、本編の論理の面白さは相談者と相談員との犯罪談義くらい。 ワンパターンに陥らない各編の結末に読み手の推理は介入出来ず、ただ物語の面白さに身を委ねるのみ。2026/08/20
小梅さん。
13
犯罪者のための駆け込み寺、なんていう設定からして面白い。 で、人殺しを企む相談者の計画のあらを次々指摘する。 捕まりますよ、そうでなくても殺害自体ができませんよ、と。 相談者も動機も、相談の結果もそれぞれ。 正直、大いなるマンネリのパターン化された展開を予想していたので、いい具合に想像を裏切ってくれた。 ロジックを積み重ねる石持さんの得意な展開に新しい流れだ。 続編が出たらぜひ読みたい。2026/07/11
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