出版社内容情報
石元陽菜は愛らしい笑顔で人気の女子大生だが、その本性は、男をいいように操って己の利益をはかろうとする、極めて自己中心的なものだった。ここ最近執拗にかかってくる無言電話に、陽菜は苛立ち怯えていた。堪えかねた陽菜は相手を口汚く罵り、挙句に彼女に言い寄る男たちから聞いた『秘密』をぶちまけて憂さを晴らすようになる。一方、電話の向こうの『ストーカー』は、ある理由から彼女の殺害を決意する……。驚愕必至の長編ミステリ、大幅改稿にて文庫化！
田南透［タミナトオル］
著・文・その他
内容説明
愛らしい笑顔と親身な気遣いの裏に計算高い本性を隠し持つ女子大生・石元陽菜は、正体不明のストーカーからの無言電話に悩んでいた。ある日その執拗さに耐えかねた陽菜は憂さ晴らしに、周囲の人間から打ち明けられた、彼らの「秘密」をストーカーに暴露する。しかしそのなかにはストーカー自身の「秘密」も含まれていた―鮮やかなどんでん返しが待ち受ける驚愕のデビュー長編！
著者等紹介
田南透［タミナトオル］
作家。プロフィール非公開。『翼をください』で２０１２年デビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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Yuki
34
持ち前の魅力で同級生男子を身勝手に弄ぶ石元陽菜。狙っていた医学生に袖にされたある日、悪戯電話をかけてきたストーカーに普段表に出さない本性を見せ、暴言を吐いたことで彼女の運命が狂う。えげつない心の声を見せる陽菜・陽菜の本性を直視せず忠犬のように尽くそうとする景太・ストーカーの視点から話が進み夏合宿のカタストロフィに向かってひた走る。登場人物全員、家族関係または性的な問題を抱えていて、ユーモア成分のない西澤保彦作品みたいだった。ラストも含めて懐かしいパソコンのテキストゲームみたいで、これはこれで惹き付けるな。2018/11/04
coco夏ko10角
20
島で殺人事件が起こってゼミ生たちは疑い合い…島から戻ってからの様子が丁寧でよかった。この作品「プロフィール非公開。デビュー作」とのことだけど、デビュー作というよりは誰かの別名義作品という方がしっくりくる。2021/05/04
香翠
12
チャレンジ精神あふれる作品だと感じました。2018/10/16
文庫本依存dive
8
『翼をください／田南透』読了。視点が目まぐるしく入れ替わりながら、濃密な人間関係を目くらましにして、伏線を回収しながら謎を解き進める、ある意味創元推理文庫らしいミステリ。自分に自信が持てない自己中心的な女性のエグさ、忠犬のように奉仕してしまう男性の脆さと醜さ。すべてが組み合わさり、ほろ苦い後味を生み出す劣情の物語。2019/01/10
しば
6
表紙買い。ぼんやり見えるエンドを思いながら読み進めていたら終盤でそうくるか、みたいな。最高にメリバ……とか言っていいのかしら… 2018/10/28
