出版社内容情報
1927年、アーサー・コナン・ドイルによる最後のシャーロック・ホームズ活躍譚「ショスコム・オールド・プレース」が《ストランド・マガジン》に掲載されて以降も、この不滅の人気を誇る名探偵の贋作は、数多くの作家によって描かれてきた。本書はそれらに連なる最新の傑作である。大英帝国を縦横無尽に駆け巡るホームズと相棒ワトスン博士の〈語られざる事件〉を、世界有数のホームズ・ファンが愛と敬意を込めて作品化した、最高水準のパスティーシュ。六編を収める。
北原尚彦[キタハラナオヒコ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かめりあうさぎ
38
素晴らしいパスティーシュでした!いわゆる「語られざる事件」が北原先生によって描かれていますが、いやぁー本当に面白かった!各短編の最後に、正典のどの部分に記述があったかも引用されていて、正典ファンにはたまらないですね。文章もキャラクターもまったく違和感がなく、正典以上でも以下でもない。とにかくこれまで読んだパスティーシュものでは個人的には最高傑作でした。2018/03/30
geshi
33
当代一のシャーロキアンが書く語られなかった事件の正統派パスティーシュ。ホームズらしい饒舌さとグイグイ進むストーリー展開、アイテムの使い方や強引な解決に至るまで徹底され、読んでいるうちに聖典を読んでいる気分になる心踊るホームズ譚らしさ満載。それでいて本家ではできなかった老女や少女やベーカー・ストリート・イレギュラーズなど脇のキャラクターの魅力が抜群。『結ばれた黄色いスカーフの事件』でインドに対する偏見を漂白せずに出してくるのが流石分かっているとしか言えない。2018/06/22
マッちゃま
28
前から気になってたのですが積本も溜まってるしで様子見してましたが、敬愛する読友さんのレビューで「なんだ、ヤッパ面白いんじゃん」で購入しちゃいました(笑)まさにホームズものの正統派なパスティーシュ。決してホームズものに詳しいわけではありませんが、それでもムフフと楽しめる作りの短編が6つ。聖典が未読でも問題の無い作品ですので手始めに…ってパターンもアリですよ。初読み作家さんでしたが、他にも面白そうな作品も有るみたいだし、そちらも機会をみて読んでいきたいと思います。2018/04/21
タッキー
20
素晴らしいホームズもののパスティーシュ。原作の雰囲気がすごく出ていてホームズファンにはたまらない一冊です。短編6作ですが、何と言っても秀逸なのが、各作品が、原作で引用されている中の知られざる事件を扱っているという構成になっていること。ホームズの魅力がギュッと詰まっていました。2018/04/29
うみ
19
なんてレベルの高い正統派パスティーシュ!初めて原作を読んだ時のように胸踊らせる冒険劇でした。原作の場面に似ている部分もあり、ホームズファンなら定番の台詞も盛り込まれ、原作を読んでいるような安心感があります。北原尚彦さんスゴすぎます。続編望む!!!2018/04/24