出版社内容情報
深夜、男は一冊の推理小説にそっと手をのばす。そこで彼は書物のなかを出掛ける。走ったり、ひと休みしたり、時々は欠伸したりしながら、いい気になって歩き廻っていると、そのうちにあたりは白々と明けてくる。真犯人を捕まえるまでは、この散歩を途中で止められないのだ――。博雅の文学者にして推理小説愛読家である三人が、海外推理小説を紹介する読書エッセイ。推理小説を読み解く愉しさを軽やかに、時に衒学的に、余す所なく語り尽くす歴史的名著が甦る。
内容説明
博雅の文学者である三人が、探偵小説を読む愉しさを軽やかに、時に衒学的に、余すことなく語り尽くす名著。海外探偵小説を巡る、優雅な読書エッセイ。
目次
深夜の散歩(福永武彦)(Quo vadis?;ソルトクリークの方へ;ヘロンズ・パーク陸軍病院の方へ ほか)
バック・シート(中村真一郎)(アイソラの街で;英国の疎開地で;クイーン検察局で ほか)
マイ・スィン(丸谷才一)(クリスマス・ストーリーについて;すれっからしの読者のために;長い長い物語について ほか)
著者等紹介
福永武彦[フクナガタケヒコ]
1918年福岡県生まれ。東京帝国大学卒。72年『死の島』が第4回日本文学大賞を受賞。ミステリに造詣が深い。79年没
中村真一郎[ナカムラシンイチロウ]
1918年東京府生まれ。東京帝国大学卒。小説を多数発表する一方、浩瀚な評論活動も展開する。89年『蛎崎波響の生涯』が第27回藤村記念歴程賞ならびに第41回読売文学賞を受賞。97年没
丸谷才一[マルヤサイイチ]
1925年山形県生まれ。東京大学大学院修士課程修了。68年「年の残り」で第59回芥川賞、74年『後鳥羽院』で第25回読売文学賞など数々の文学賞を受賞。2011年には文学的功績により文化勲章を受ける。12年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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