出版社内容情報
総員二名の「季刊落語」編集部、校了前の本日も多忙なり。寄席や噺家をめぐる数々の騒動に駆り出される牧と緑。好評『三人目の幽霊』『七度狐』に続く落語シリーズ第三弾。
内容説明
死神にやられたとの言葉に首をひねる表題作を皮切りに、先行きを危ぶまれていた噺家二人が急に上達する「無口な噺家」、元名物編集長の安楽椅子探偵譚「幻の婚礼」、牧&緑コンビ定番の張りこみで決する「へそを曲げた噺家」、『幻の女』ばりに翻弄される「紙切り騒動」の五編を収める。編集長に頼ってばかりはいられない、間宮緑探偵孤軍奮闘の巻も微笑ましい、好評シリーズ第三弾。
著者等紹介
大倉崇裕[オオクラタカヒロ]
1968年11月6日、京都府生まれ。学習院大学法学部卒業。97年「三人目の幽霊」が第4回創元推理短編賞佳作に。98年「ツール&ストール」で、第20回小説推理新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
86
【落語】シリーズ第3弾。「季刊落語」の2人が、今回は落語界で起こる日常の謎を解く5作の短編集。噺を現実の事件に置き換える巧みな技の冴えは、素晴らしく自然な感じが良い。そして物語のオチは、噺のサゲに通じるものが在るのだろうか、特に大倉氏の物語は読後感爽やかさだ。高座での噺から始まって、謎と噺のネタが関係してくるパターンが、落語ミステリというひとつのスタイルを作り上げたと思う。緑の成長もしっかりと見せてくれていて、お決まりのパターンなのに全く飽きない。これだからミステリは止められない、落語家の名人芸に通じる。2020/08/25
takaC
86
未読だと思って読んだら、未読なのは『七度狐』だった。シリーズ3作目だけど順番に読まなくても概ね問題ないから、まあ、いいか。(読んでないから言えるのかも)2016/01/02
aoringo
83
シリーズ二作目。落語にまつわる人の死なないミステリー。たった二人しかいない雑誌編集者コンビが推理を巡らす。様々な落語が重要な鍵となっているが落語を知らなくても大丈夫。読み終わると寄席に行って生の高座を聴きたくなる。とりあえずは本を読んで気分を高めよう。2023/09/23
五右衛門
60
読了。このコンビのシリーズ面白いです。終盤緑くんが牧さんのトリックに気付き成長を見せました。(私はうっすら気づきましたけど)更に落語のネタに沿って謎解きしていきどの短編もスッキリしました。終わっちゃったのかな?続編希望です。オチケンシリーズも行きまーす🎵2019/10/30
kazu@十五夜読書会
50
落語シリーズ第三弾。 緑は「季刊落語」編集部に配属され落語漬けの毎日、馴染んできた牧編集長&間宮緑コンビ、「死神にやられた」との師匠のメッセージに首をひねるコンビ、師弟と兄弟弟子の愛「やさしい死神」。物足りない芸ゆえに先行きを危ぶまれていた噺家2人が急に上達する「無口な噺家」、牧の先輩元名物編集長の安楽椅子探偵譚「幻の婚礼」、携帯事件から始まる謎にコンビの張り込み、落語ネタ・本格ミステリ主力「へそを曲げた噺家」、「紙切り騒動」では、緑が単独探偵行で独り立ち!続編が無く?『オチケンシリーズ』へ2013/05/04